電力小売り:全面自由化で一致 経産省専門委
毎日新聞 2012年05月18日 23時57分(最終更新 05月19日 00時51分)
経済産業省の電力システム改革専門委員会(委員長=伊藤元重・東大教授)は18日、家庭向けの電力小売り事業への新規参入を認め、全面自由化することで一致した。同時に家庭向け料金規制を撤廃することも確認。実現すれば、一般家庭も電力購入の選択肢が増え、電気料金の引き下げにつながるものと期待される。ただ、新規参入が進まないまま料金規制を撤廃すれば、逆に電気料金値上げにつながりかねないため、一定の移行期間を設けるべきだとの意見も出された。
電力小売りの自由化は現在、契約電力50キロワット以上の事業所まで拡大され、特定規模電気事業者(PPS)の参入が認められているが、一般家庭は各地域の大手電力会社しか選べない。自由化が実現すれば家庭も電力会社を選べるようになり、再生可能エネルギーで発電した電気が新たな市場になる可能性もある。
一方、全面自由化した場合に、電気の供給責任を誰が負うかも議論になり、大手電力会社が全面的に負っている現状を見直し、いずれかの事業者に供給責任を負わせることで一致した。その場合、離島など電力供給コストがかさむ地域に電力を供給する場合、コストを誰が負うかについては議論が分かれた。