NHK関西のニュース 大阪放送局

関西の動画ニュースはこちら

印刷会社 胆管がんで死亡頻発

大阪府内にある印刷会社の従業員の間で、胆管にできるがん「胆管がん」を発症して死亡するケースが、極めて高い頻度で起きていることが産業医科大学などのグループの調査でわかりました。
グループでは、職場で使われていた化学物質を調べるほか全国で同様のケースが起きていないか調査すべきだと訴えています。
この調査を行ったのは、産業医科大学の熊谷信二准教授らのグループです。
それによりますと、大阪府内にある印刷会社で、平成17年までの17年間に、印刷機についたインクを洗浄する作業に1年以上関わっていたおよそ40人の従業員のうち男性従業員5人が胆管がんと診断され、そのうち4人が死亡しました。
研究グループによりますとこれは、平均的な日本人男性の胆管がんによる死亡率からみると600倍以上の極めて高い値だということです。
また胆管がんは、ウイルス性肝炎や胆管結石などが危険因子として知られ、通常、60歳以上が患者の大半を占めますが今回死亡した4人の従業員は、20代から40代で、研究グループは、これまでに知られていない何らかの危険因子があるとみています。
研究グループでは、胆管がんを発症した従業員は、いずれもインクの洗浄作業に関わっていたことから洗浄に使っていた溶剤の化学物質を調べる必要があるとしていて、全国的にも同じ溶剤を扱う職場で胆管がんがおきていないか調査が必要だと訴えています。
産業医科大学の熊谷准教授は、「普通では考えられないレベルの発がん性の高さだ。労働基準監督署にきちんと調査してほしい」と話しています。
研究グループは、この研究報告を今月31日から開かれる日本産業衛生学会で発表することにしています。
会社の顧問弁護士は取材に対して、「事態は把握しており、原因究明のための調査を現在しています」と話しています。

05月18日 19時23分

関西のニューストップへ

ご覧になりたい地域を地図から選んでください

未登録のニュース

登録

解除

    未登録のニュース

    登録

    解除

      マイエリアの登録方法

      表示したい都道府県を最大2つまで登録することができます。

      1. 未登録の場合は「登録」ボタンをクリックします。
      2. 登録したい都道府県を地図から選択します。
      3. 確認ボタンをクリックすると登録が完了します。

      ※登録した都道府県を変更するには「変更」ボタンをクリックします。