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主張基準の見直しを早急に

公明新聞:2011年6月1日付

公明党が強く主張 子どもの被ばく量、最小化を

学校の放射線量

東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響で、福島県内の学校への放射性物質に対する不安が広がっている。

政府は4月、子どもが1年間に浴びる放射線量を20ミリシーベルト以下とした安全基準から逆算し、学校の校庭など屋外での活動を制限する目安として、1時間当たりの放射線量が3.8マイクロシーベルト以上という基準を示した。

だが、この基準で本当に子どもの安全が確保できるのか、不安や疑問の声が広がっている。実際、基準値に達していなくても、自主的に屋外活動を制限している学校は少なくない。夏のプールを自粛する学校もある。

政府の危機感が鈍く、対応が遅いため、県内各市町村の対応が分かれる事態が生じているのが現状だ。

年間「20ミリシーベルト」という基準は、国際放射線防護委員会(ICRP)が2007年に示した原発事故後、復旧時の一般人の被ばく限度「年間1~20ミリシーベルト」の範囲を基にしている。

子どもに「20ミリシーベルト」という基準は高すぎるという観点から、原子力安全委員会の委員の中には「10ミリシーベルト以下に抑えるべきだ」との声もある。加えて、内閣官房参与の一人が「この数値を乳児、幼児、小学生に求めるのは受け入れ難い」と見直しを求め、辞任したことも記憶に新しい。

菅内閣の不一致と原発事故への後手後手の対応が、国民の不安に拍車をかけたのは間違いない。

公明党は、国会論戦などを通して、政府の安全基準について、見直すよう主張し続けてきた。

斉藤鉄夫幹事長代行は先月23日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、ICRPが一般の人の基準について「1~20ミリシーベルトの下方部分から選定すべき」と勧告したことを踏まえ、「基準を1ミリシーベルトにするのは可能だ」と訴えた。

公明党が26日に発表した「東日本大震災復旧復興ビジョン」の政策提言でも、20ミリシーベルトとした学校での放射線被ばく量基準の早期撤回と、子どもの被ばく量最小化への取り組みを政府に求めている。

公明党の主張などを受け、高木文部科学相は27日、放射線量の基準を今年度は当面、年間1ミリシーベルト以下をめざすと述べた。ただ、努力目標だけでは実効性に疑問が残る。

今後は、放射線量の基準を超えた学校の校庭の土を取り除く作業など緊急課題は多い。

政府は学校の不安を払しょくするため、基準の見直しとともに、被ばく量の最小化に向けた対策を急ぐべきだ。

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