保安院:「行き過ぎ指導」陳謝 原発耐震めぐり安全委に
毎日新聞 2012年05月17日 22時37分
経済産業省原子力安全・保安院の森山善範・原子力災害対策監は17日の記者会見で、原発施設の耐震設計審査指針改定に関して、06年に内閣府原子力安全委員会へ提出した内部文書を公開するとともに、「保安院として、中立性に疑問を与えかねない表現があった」として陳謝した。
公開したのは「耐震設計審査指針改定に向けて注意すべき点」(06年4月)と題する文書。指針の文言調整をめぐる内容で、保安院の主張が反映されなければ「(耐震安全性への)批判が立地自治体、マスコミなどで厳しくなり、確たる反論ができない既設原子炉は事実上運転停止を余儀なくされる」「安全委員会の有識者も証人として出廷を強いられる」などと明記している。
森山対策監は会見で「当時の担当課長が独断で安全委員会へ提出した。原発の安全規制を担う保安院としては配慮を欠く内容だった」と述べた。【中西拓司】