ゴールデンウィークにクルマで遠出を考えている人なら、気になるのはやはり渋滞。しかし、渋滞にまつわる“定説”に誤解が多いことはご存じだろうか。例えば、五十日(ごとおび)は渋滞するとか、年度末は工事が多くて道路が混むとか、高速道路が渋滞しているときは、追い越し車線よりは走行車線のほうが早く進むとか…。ホントのところを調べてみよう。
まず五十日について、警視庁の「平成23年中の都内の交通渋滞統計」を調べたみたところ、「一般道路の日別渋滞発生距離」の平均は138km。これに対して五十日の平均は、「5日137km」、「10日143km」、「15日134km」、「20日137km」、「25日148km」、「30日147km」となっており、平均を上回るのは10日・25日・30日の3日のみ。つまり全ての五十日が渋滞しやすいわけではないが、多くの企業の給料日にあたる25日や、取引の決済日にあてられることの多い10日・30日は、確かに東京では渋滞しやすい模様。
ちなみに、これが五十日発祥の地、大阪になると、平日の平均渋滞時間が172時間なのに対して、10日は229時間、25日は243時間、30日は236時間(平成22年度 大阪の交通白書参照)。東京の統計はkmなので単純比較はできないが、大阪のほうが五十日の渋滞が多い印象だ。
次に年度末の渋滞はどうだろうか? まずは道路工事に関してだが、平成21年度の全国直轄国道の路上工事時間の推移を月別にみると、最も工事時間が多いのは2月。年度末では年平均の約5割まで減少している。
実際、警視庁ホームページにある「平成23年中の都内の交通渋滞統計」の「月別交通渋滞発生状況」によると、震災の影響のなかった平成22年では、年度末である3月の渋滞距離は189kmと7月や12月とほぼおなじ。年平均である約159kmよりも2割ほど渋滞する計算だ、確かに渋滞はするが、年度末だけが道路工事で混むというのは噂に過ぎないということになる。
最後に、高速道路時の渋滞は走行車線のほうが速く先に進むというのはどうだろう。NEXCO東日本のホームページによると、確かに渋滞は追い越し車線から発生するとのこと。また、西成活裕著「渋滞学」には、条件にはよるものの、渋滞時には追いそうとクルマの密度の高くなった追い越し車線よりも走行車線のほうが平均速度が速くなることもあるとか。
となると、走行車線を走り続ける方が結果的に速く目的地に到着できる可能性は確かにあるわけだ。NEXCO東日本では、渋滞時には追い越し車線から走行車線にクルマを誘導する電光表示を設置するなどの工夫も行っている。
ただし、渋滞の発生要因は事故、サグ(下り坂から上り坂にさしかかる凹部)やカーブなどでの減速、クルマの走行台数など多種多様にわたる。渋滞時に必ず走行車線が速いと言い切るのは難しい。
クルマを運転していると、渋滞にはまってしまうのは仕方がないこと。噂に左右されずに、ゆったりとした気持ちで運転するように心がけよう。
(コージー林田)
(R25編集部)
僕らが知らない渋滞の誤解とは!?はコチラ
※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、web R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております
■「経済」に関する過去のイチオシ記事