2ちゃんねる削除放置 警視庁、シンガポール当局に捜査共助要請
インターネットの総合掲示板「2ちゃんねる」で、覚せい剤の購入を持ちかける書き込みが放置された事件で、警視庁が、掲示板の運営権が移されたとされるシンガポールの捜査当局に対して、捜査共助を要請していたことがわかった。
警視庁は、2011年11月以降、「2ちゃんねる」が覚せい剤購入を持ちかける書き込みを放置した疑いがあるとして、関係先を家宅捜索している。
「2ちゃんねる」は2009年1月、会社の運営権をシンガポールの会社に譲渡したと発表した。
しかし、警視庁は、シンガポールの会社はペーパーカンパニーで、事業実態はなく、実質的には日本国内で運営されているとみて、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて、シンガポールの捜査当局に捜査共助を要請した。
「2ちゃんねる」を譲渡したとされるシンガポールの会社には、社員は1人もおらず、実際の業務は、日本で行われていたという。
シンガポールの会社の社長は「日本の警察が、麻薬事件のことで、2ちゃんねるを追っていると聞いた。わたしは、シンガポールで200から300の会社の経営者になっている。(あなたは名前を貸している?)はい。(会社は2ちゃんねるを運営しているのか?)いや、まだ何も」と話した。
警察庁は5月、「2ちゃんねる」が、2011年の1年間で5,223件の違法書き込みの削除要請を受けたものの、その97%にあたる、5,068件を削除せずに放置していたと発表した。
これに対し、「2ちゃんねる」の元管理人の西村博之氏は、自らのブログで、「警察からの削除依頼は2通で、その書き込みは削除している」と主張したうえで、財団法人が運営する「インターネット・ホットラインセンター」が削除を依頼することについて、「財団法人が違法と決めることはできない」と反論している。