英語多読に関しては 茅ヶ崎市立図書館は微動だに しませんでした。
わたしは活動を続けましたが、図書館は いわゆる「箱がし」の立場を貫き
その他の部分では コストカットのために 私財を徹底利用する、という方法をとったのです。
念のため、付け加えますが 英語多読以外の部分は ほぼ全て、要望が通っています。
わたしが市に対して出した図書館改革の要望は 次のようになります
●相互貸借の範囲を広げ平塚とも協力する（平成24年度実現）
●協力大学をふやす（平成22年度実現）
●駅などでの返却ポストの設置（平成23年度実現）
●託児つきのセミナーや講座の実施（平成23年度実現）
●小学校図書室との連携（平成21年）
●市民参画をとりいれた図書館評議会の実施（平成24年度実現：協議委員会として設置）
●英語多読書籍の導入または寄贈受入れ（実現せず）
これをみる限り「英語多読以外のすべて」に図書館が対応したことが分かります。
英語多読だけが、図書館へ要望のないものとして扱われているのですね。
茅ヶ崎市立図書館で活動を続ければ続けるほど、わたし個人の財政負担がふえ
その金額は 200万円にものぼりました。
育児中、まっさいちゅうの子供がいるのに やめたい、と言ってもやめられなかった･･･
子供達にも ずいぶん色々なガマンをさせました。
図書館で英語多読活動を継続することで、個人財政を苦しめる･･･と
住人自身が気がつかない、というのであれば 行政もそこへのっかる･･･仕方のないことです。
たった一人に負担が集中する、サポートや参加を呼びかけても周囲がまったく反応しない･･･
疲れ果てて、もう団体を閉じよう！と 毎年提案するのですが
通う方々がいるがために 閉じられません。
どうして このような状態になったのでしょうか？
【茅ヶ崎市の市民活動例】
現在 茅ヶ崎市は「福祉」においては 県内で最先端をいってると思っています。
育児支援、福祉総合施設、介護、防災･･･それは 他市からの見学がくるほどの状態です。
ことに 育児支援に関しては さまざまな取組みをはじめているのです。
わたしが育児支援を必要とした 6,7年前は そうではなかったんですね。
厚木市のある複合施設へ見学に行った際には「かわいそうな市ね！」と笑われたくらいで
当時は 一時預かりをしている保育施設すらなかったのです。
現在は 一時預かりを行なう事業者には 一人当たり月額４万円相当を市が助成していますので
事業者が その制度をスタートさせるようになりました。
では どうして ここまで変化したのでしょうか。
当時から「市民協働」ということで 茅ヶ崎市は 市政改革を推進してきました。
その中で行事やイベント、フォーラムを何度も行い、市民の意識調査をしました。
そうした試み･･･つまり、市民自治がすすんだ部分は 改善されたのです。
改善されなかったものに関しては 住人が市政に参加しなかったからです。
それでは 個々にすすめればよいか？というと そういうわけではなくて、
育児支援の部分に関しては 育児サークルや、支援するNPOなどが
自発的、または 市からの提案に沿って 何度も何度も集まり
その都度、情勢に応じて 予算要望や市長懇談会を継続していました。
つまり 茅ヶ崎市においては 多読実践者が、他の図書館付属団体と集まり、
きちんと意見や提案をしていれば 改善されたのです。
自分達の声だけを ずっと出し続けていても、改善はされません。
その他の団体においても、みなさん 有効で、有意義な活動と提案をしているのです。
他団体と意見調整をしながら、自分たち自身も情勢を理解する･･･という部分がなければ
市民活動とはいえません。
また、書籍が沢山入ったからといって、その図書館の中で 英語多読本来に附随する、
市民自治や助け合いの意識が育まれるか？といったら そうではないでしょう。
自分達の団体の自治は、自分達で行なう。
一方で 行政に その必要性をアピールする。
他団体との接点を見出し、団体同士での地域コネクションを構築する。
行政の中で改革するには、この３点が必要です。
ピリリと辛い言い方をするならば、誰かが自分達のためにやってくれる･･･とシンデレラのようにしていては
なにひとつ、変化しません。
むしろ この財政状況では、あなたが無関心であればあるほど、
だれかの財政を貪っている可能性すら あるだろうと思います。
【市民サービスのなかで】
2010年の「図書館で英語まつり」には他市からも多くのご参加をいただきました。
イベントの前に先立ち、あまりの反響に 驚いたものでした。
少し残念だったな、と思うのは 一般の方々が ご自身の図書館に興味がないことと対極に、
ご興味をお持ちの方のほぼ100％が「茅ヶ崎でやっているのに うちはやってくれない」という
ご意見が多かったことです。
それぞれの市政の中では バランスがあるわけですから
洋書を導入する･･･というのであれば、それなりの理由が必要かと思います。
市民として、常に おねだりしてしまう気持ちも分かるのですが
行政は「産業」ではないことを理解しなくてはいけません。
必要に応じて、再分配を公平に行なう･･･のが行政の予算割です。
不平等でないように･･･それが大事なのですが、
わたしたち住民自身が声を出さなければ、その必要性も行政には伝わりません。
声を出す･･･ということは かたちにのこすわけですから
書面で申請する、というのが 本来あるべき姿です。
【公平なリサーチを心がける】
茅ヶ崎市は 英語多読としては 見るも無残なのですが
たったひとつ、みるべき価値のあるものがあります。
それは付属する市民団体の寄贈による「点字書籍」です。
図書館さんが これを「自分達の財産だ」と語り
「市民にやらせてあげている」と語っているのですが
まあ、その福利が きちんと市民にいかされているのは確かです。
この点字書籍における所蔵は県内屈指です。
さて そうした実情のあれやこれや･･･それらを考えると
「わたしの英語力」「英語の正しいアプローチ」、
おれは税金を支払ってるぞ･･･等々は
行政がバックアップする理由にはなりません。
他市における英語多読の事例を見ることは大事なのですが
それによって なにをどう 自分達の市に取り入れていくか･･･
その市民参画の姿勢がないことには、一歩が始まらない、というのが実情です。
ただし、この部分に関しては かなり茅ヶ崎市はすすんでいます。
他市において、このアプローチをとったにせよ･･･
うまくいくとは限りません。
とくに 子供たちの教科書等をみて、偏った思想のある場所では
英語多読は自由思想の象徴みたいな部分がありますから
まずもって 教科書問題を抱える市では 実現しにくい、という傾向もおしらせしておきます。