1・チェルノブイリの汚染区域に関する誤解について。
よく「55万ベクレル以上で、これはチェルノブイリの強制移住区域以上の汚染地域」という表現を目にするが、これに関しては色々と誤解がある。この出所は恐らく京大の今中准教授の研究であろうが、誰がこれを曲解して「強制避難」と言い出したのかは良くわからない。ちなみに今中氏のチェルノブイリ研究についてはネットでも見ることができる。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Mtk95-J.html
この資料を読む限り、まず第一に解ることとして、55万ベクレル以上で強制移住区域という言葉はどこにも書いていない。二次移住区域とは書いてあるが、強制の文字はない。そしてもう一点。実際にこの区分による政策が始まったのは「ベラルーシ最高議会の採決」が1991年末ということだから、事故約5年後ということらしい。この点は非常に勘違いされていると思う。良く「チェルノブイリでは事故すぐに避難させたのに、日本は」という論を見掛けるが、事故後避難対象になったのはあくまでもチェルノブイリから半径30km圏内の住民だけであって(それも避難が完了したのは事故後2週間近く掛かった場所もある)、その外側の高濃度汚染地域、所謂ホットスポットに住む人は約5年間放置されたことになる。その後当該地域においては子供の甲状腺障害の増加が顕著になり、折からの民主化と、ソ連中央政府への反発から共和国政府側がこのような政策を、ある種当てつけがましく打ち出したとも言えるのである。
では実際、移住政策は進んだのかという点だが。次の資料を見て欲しい。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/Gnsk12.html
これも今中准教授の資料だが、ここには移住政策が始まる前、事故後4年が経過した1990年のそれぞれの汚染区分における人口が書かれている。55万ベクレル以上というのは「表2 汚染地域の住民数」に対応するが、ベクレルではなくキュリーという単位で書かれている、この場合は1キュリーは37Gベクレルであり、1Ci/km2=37kBq/m2という事になるから。15〜40キュリーの地域が55万〜148万ベクレル平米の地域に対応する。そこには23万人の住民がいると書かれてある。次に
IAEAのチェルノブイリ20周年の調査報告書の25ページを見て欲しい。
http://www-pub.iaea.org/mtcd/publications/pdf/pub1239_web.pdf
ここには1995年の同地域での人口動態が乗っている。この555〜1480kBq/m2の地域に住む人口は19万3千人である。二次移住地域と指定されたにも関わらずたった4万人しか減っていない。それでは現在はこれらの地域は移住政策が進み人の避難が完了したのかといえば、そうでもない。
この55万ベクレル平米以上区分に入っている都市をwikipediaで検索すればすぐに出てくるが例えば
ロシアのノボズイブコフという都市は現在(2010年)でも4万人の住民が住んでいる。
http://en.wikipedia.org/wiki/Novozybkov
ベラルーシの町でもNarovlyaは(2005年)で8千人の住民が住んでいる。
http://en.wikipedia.org/wiki/Narovlya
「55万ベクレル=強制移住地域」と盛んに喧伝されNHKでさえも番組中にそのような表現をしていたと記憶するが、この点誤解が非常に広がったように感じる。視聴者側の印象として「旧ソ連のチェルノブイリよりも酷い汚染で、しかも避難できていない」という印象を与えた点で色々と誤解を生んだのではないか。
また、事故後5年経過しての政策という認識の部分がごっそり抜け落ちていた事で様々な誤解を増大させた。
それは一つには。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Mtk95-J.html
この最初の資料の区分分けで、
「移住(第2次移住)ゾーン:セシウム137,ストロンチウム90,プルトニウムによる土壌汚染密度が,それぞれ555〜1480,74〜111,1.85〜3.7kBq/m2(15〜40,2〜3,0.05〜0.1Ci/km2)の地域.年間の被曝量は0.5レム(5ミリシーベルト)を越える可能性がある」
という部分を抜き出して、最後の年間被曝量から計算することで、これまた大きな勘違いが生まれてしまった点がある。要するに当初日本が採用していた土壌汚染濃度は、土壌1kg当たりという計測方式であり、これがチェルノブイリのkBq/m2どう相関するのか判断できなかった。故にこの資料の年間被曝量から逆算する人が現れた。年間5ミリシーベルトの場所は55万ベクレル以上ということになってしまったのである。要するに空間線量0.57μSv/hの場所は単純に×24、×365すれば5mSvなので55万ベクレル以上の濃度なんだという単純計算である。
これは二つの間違いを犯している。一つは現在の福島原発の事故においては空間線量の代表核種はセシウム134と137であるが、チェルノブイリ事故5年後の当地での代表核種はセシウム137に限られている点。セシウム134は半減期が2年であるから、5年の歳月で5分の1にまで減少しているし、また次の2年で更に半分減る訳で、代表核種としては事故5年後のチェルノブイリでは重要視されていない点が無視されている。
以下IAEAの資料99ページに、土壌1m2に付き、放射性物質の核種がどれほどあれば、その場所の空間線量がどのくらいになるのかという換算式がある。
http://www-pub.iaea.org/mtcd/publications/pdf/te_1162_prn.pdf
ここからmSv/h / kBq/m2の係数を使うと、セシウム134はkBq/m2に0.0054を、セシウム137は0.0021を掛けるとその場所のμSv/hが出る仕組みになっている。仮に555kBq/m2のセシウム137を計算すると1.1655μSv/hという数字が導き出される。これを単純計算すると年間10mSvになってしまう。何故チェルノブイリの区分では、これで5mSvということにしたのかと言えば、それは住居による放射線の遮蔽係数等を考慮に入れたからであろう。0.57μSv/hで年間5mSvという主張をする人はこの遮蔽係数という考え方も全く無視している。これが第二点の錯誤である。
実際上記の資料には旧ソ連が出した緊急措置としての被曝限度が書かれている。「事故の1年目10レム,1987年5レム,1988年3レム,1989年3レム,1990年0.5レム:うち外部被曝と内部被曝が50%ずつ」1レムは1レントゲン(10mSv)であるから、1年目は100mSv、2年目は50mSv、3〜4年目は30mSv、そして5年目に5mSvということで、事故発生年に5mSvという訳ではない。「ソ連は5mSvを避難基準にしたのに、福島は20mSvなんてソ連よりも非人道的」という意見はこの点で否定される(もちろん20mSvの実際の危険性は問わないし、あくまでもチェルノブイリと比較して非人道的な措置か否かの問題として)。それと、そもそもソ連の5年目に年間5mSvという被曝限度が達成できたか否かは上記の状況を見れば非常に否定的である。
では福島原発事故ではどのような計算をするべきであろうか。現在各地で計測される空間線量で支配的なのはセシウム134の方である。今回の事故ではセシウム137と134はほぼ同じ量放出されたと考えられており、事故後3ヶ月でセシウム134の方が約1割ほど減っている事を考慮しても、それでも137の二倍以上の線量をはじき出す。
では年間5mSvだと騒がれている0.57μSv/hの場所におけるセシウム134と137のBq/m2を計算するならば、セシウム137が80kBq/m2 セシウム134が75kBq/m2くらいの場所で丁度0.57μSv/hという空間線量になる。ただこれは自然放射線を含んでいない(実際0.05μSv/hくらいは宇宙線などの放射線になる)ので実際はもっと低い値になるだろう。そうするとセシウム137で55万ベクレル平米(555kBq/m2)とはおよそ7倍も差がある訳で、余りにも過剰な評価ということになってしまうのである。
では555kBq/m2の地域というものをどう判断するかであるが、正確にチェルノブイリと比較するならば、文科省と米国DOEの航空モニタリング調査を見る事が最もチェルノブイリとの正確な比較ができる。チェルノブイリの地図も航空モニタリングによる空間線量からの逆算によって作られたものであろうから、互いの比較に最も適している。以下のCs134.137合計の文科省マップを使うと大まかにチェルノブイリとの比較ができる。Cs134と137は7月末時点でお互いの比率が9:10くらいであろうから、この地図上で3000kBq/m2-の赤の地域を1480kBq/m2の地域に当てはめ、1000KBq/m2-と書いてある黄色い部分を555kBq/m2と解釈、更に300kBq/m2-の水色の地域を少々保守的であるが185kBq/m2と解釈、さらに60kBq/m2-の地域を37kBq/m2と解釈すれば、ほぼチェルノブイリの汚染区分と比較できる地図ができる。
文部科学省と米国DOEの航空モニタリング
http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/20110830_01/files/20110830_01a.pdf
上記のモニタリング結果を基にチェルノブイリにおける汚染区分地図を同縮尺にして福島に落とした結果。
※文科省とDOEのマップにおいて、濃度分布に変更があった為修正しました。
※濃度分布の変更は栃木県と宮城県において変更があったものと思われます。
※過去のマップはこちら
※文科省とDOEの調査で群馬、埼玉、千葉の地図が追加されましたので、チェルノブイリの欧州全体における汚染との比較図も作ってみました。2kBq/m2以下の場所に関してはnnistarさんの地図などを参考に作ってみましたが、精度としてはちょっと怪しいと思いますので参考までに。
この地図を見る限り、年間20mSv(3.8μSv/h)として線引きされた計画的避難地域とは、正にチェルノブイリにおけるセシウム137の555kBq/m2以上の地域と一致すると考えて良いと思う。チェルノブイリにおいて5年間以上放置されながら、5年後ベラルーシ政府が二次移住地域に設定したが、住民が避難した訳ではない555kBq/m2-1480kBq/m2の地域を日本においては計画的避難地域にしようということである。
ちなみにあくまでも参考として現在空間線量1μSv/hの地域(セシウム134、137が同量と仮定)における線量の変化を下記に記す。
話を戻すと、チェルノブイリで5年間放置されたという部分がごっそり抜け落ちて、55万ベクレル平米以上で強制避難という説が流布した為、「事故後すぐに上記の区分で避難したにも関わらず、子供の甲状腺癌などの重大な健康被害がチェルノブイリでは起こった」という誤った認識が広く流布してしまった感もある。そこから福島ではチェルノブイリよりも遙かに深刻な事が将来起こるという不安感が醸成されてしまっている点も非常に問題かと思う。
2・チェルノブイリにおける実際の汚染とは
実際は前にも振れたが30km圏外住民は高濃度汚染地域にいても5年後まで放置された。また内部被曝に関しても事故当初の食料摂取の方針は
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Mtk95-J.html
にあるように肉は現在汚染牛と騒がれているものと同じKg当たりセシウム137で3700ベクレルまでを安全とした。粉ミルクに至ってはKg当たり18500ベクレルという現在の日本ではとても考えられないレベルの緩い制限であった。しかもチェルノブイリ原発周辺の村部などは普通に自宅で牛から牛乳を搾り、それを飲んでいた訳で、事実上これらの食料制限はほぼ無視されていたと考えても良い。特に事故当初のヨウ素131の摂取に関しては、食料制限が事実上完全に失敗したと考えられる。ヨウ素に関しては半減期が8日間と非常に短い為、初動が最も重要になる。最初の8日間摂取制限を怠ることは、その後一生完璧な対策をしたとしても取り返しの付かない被曝をしてしまう訳であり、この点チェルノブイリでは対策が大きく失敗した。それは事故当初住民への説明が不十分であり、また住民も原発事故に対する知識を殆ど持っていなかった点が不幸を招いたと言っても良い。以下IAEAの資料113ページに子供達が甲状腺に受けた等価線量の表が掲載されている。
http://www-pub.iaea.org/mtcd/publications/pdf/pub1239_web.pdf
恐ろしい事に等価線量で10Gy以上(単純に考えれば10Sv、10000mSv)以上の甲状腺被曝をしてしまった子供が約150人いる事が書かれている。また1Gy(1000mSv)以上は5500人、200mGy以上は約3万人という数字になる。一方、福島では3月末に946人の子供に対して緊急甲状腺サーベイが行われたが50mSv以上の被曝は事実上認められなかった。
http://blog.goo.ne.jp/chemist_at_univ/e/d9b01d71ba0d3d3722081f6c93743cf9
結果ベラルーシでは年間の小児甲状腺癌の発生件数が年間数件だったものが事故後10年をピークに年間90件近くまで跳ね上がった。小児甲状腺癌の症例は全体で数千件にのぼったそうである。全ては事故当初の食料制限ができなかった事が主因であろう。よく「チェルノブイリでは子供達はソ連政府の計らいで夏休みにソ連各地に疎開することができた」という論を目にするが、何度も言うようになるが、ことヨウ素131の甲状腺被曝に関しては最初の8日間で避難できず、また食料の摂取制限ができなかった時点で、その後一生気をつかっても取り返せない被曝をするという意味では、あまり夏休みの疎開も意味がなかったと考えられる。同時に半減期の短い核種は事故当初チェルノブイリでは多く飛散しており、特にジルコニウム・ニオブ等の空間線量の寄与率は事故後数十日間、支配的であった点は1ヶ月後にはセシウムが代表核種になった福島と全く違う点で、初期被曝が人々に与えた影響を考えるならチェルノブイリに関しては一概に福島と比較できない点が非常に多い。
※ヨウ素131の場合は事故発生より約1ヶ月しっかり対策をすれば9割の被曝を抑制できる
また事故当初30km圏内にいた住民で事故2日後に避難したのは原発から6kmにあるプリピャチ市の住民だけで、その後30km圏内の村部住民の避難には2週間を要した訳で、その間に重大な被曝を多くの住民が受けた。もちろん2日後に避難できたプリピャチ市住民の中にも急性放射線障害で入院した人がいたくらいであるから、凄まじい汚染の中に事実上曝された訳である。事故当時の市内の放射線量に関しては様々な説があるが、軍隊の計測によると、事故当日の昼間には市内の公園で2mSv/hを記録し、そして深夜には数値が跳ね上がり70mSv/hを記録したと言われている。
http://youtu.be/vog5R6DF9wU?t=9m25s
福島原発事故で決死の覚悟で原子炉建屋に放水を行ったハイパーレスキュー隊が3号機建屋近くで経験した線量が70mSv/hであるから、6km離れた市内でこの数値ということは、途轍もない汚染だったことが伺える。
※3月12日、1号機のドライベントの際に作業員一人が106mSvの被曝をして吐き気、だるさを訴えて緊急入院したそうなので訂正します。 (参照 Wiki http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85)
翻ってチェルノブイリ事故は一体どれだけの急性放射線障害患者を出したのか、以下今中准教授の研究を再びとりあげると、
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/Henc.html
この「事故直後の放射線障害に関する共産党秘密議事録からの抜粋」という部分を見ると入院患者が指数関数的に増えていく凄まじい実態が垣間見れる数千人が入院し、数百人が急性放射線障害と診断されたとあるが、実数に関しては不明な点も多い。ただ、この報告だけを取り上げても、彼ら急性放射線障害で入院した人々が後に大きな後遺症を抱えた事は考えられる。
また原子炉を封じる為にかり出された作業員の作業環境に関しての比較も、今回の福島原発と比較にならない。石棺を作るため原子炉建屋屋上のガレキ撤去にかり出された作業員は表面線量70Sv/h以上のガレキを手作業で撤去したそうである。作業時間は2分間と定められていたらしいが、その場にいるだけで全身の感覚が無くなるような、またガレキをつかんだ時は無数のナイフで手のひらを突き刺されたような感覚を経験をしたそうである。
http://youtu.be/GnftyMdTBCE?t=9m30s
よく福島の高濃度汚染地域はチェルノブイリのレッドフォレストを越えているといった意見も散見されるが、それはあくまでも「現在のレッドフォレストの空間線量」を越えたということである。基本ツィッター等でRTされる話題はこの手の話が多い。またチェルノブイリ事故当時「東京」で観測されたセシウムの降下量との比較等々、付帯条件を付ければ間違いではないのであるが、誤解を与える表現が非常に多い。ちなみにレッドフォレストと呼ばれる立ち枯れした森林で事故当時一体何が起こり、どのくらいの汚染がされたのかというと以下IAEAの資料127ページに記載されている図がある
http://www-pub.iaea.org/mtcd/publications/pdf/pub1239_web.pdf
この図の原発から2kmほどの位置に毎時100レントゲン(1Sv/h)の場所があるが、ここが所謂レッドフォレストである。事故当初の空間線量1Sv/hということは4時間いれば人が死ぬレベルの高濃度汚染地域である。福島原発では原発構内や汚染された設備の表面線量くらいでしかこのレベルの値はお目にかかれない点を考えれば、どれほど凄まじい汚染なのか良くわかる。また同146ページ〜147ページには原発周辺地域の核種汚染の実態が細かく記載されている。
http://www-pub.iaea.org/mtcd/publications/pdf/pub1239_web.pdf
レッドフォレストと呼ばれる場所の汚染濃度を見ると、事故10年後1997年の調査でセシウム137とストロンチウム90がそれぞれ20000kBq/m2以上。アメリシウム241、プルトニウム239、240がそれぞれ400kBq/m2以上という凄まじいものである。特に福島原発事故に関しては原発周辺で僅かしかストロンチウムは観測されないし、アメリシウムやプルトニウムに至っては米ソ中の核実験で放出されたものと殆ど見分けが付かない程度である点を比較すると、大きな違いがある。また一時期、北米大陸まで福島原発の3号機爆発によってプルトニウムが飛散したというトンデモ理論がツィッターのTL等で散見されたが
http://togetter.com/li/128687
即座に専門家によって否定されたことを付け加えておく。チェルノブイリの爆発でさえプルトニウムの飛散は原子炉30km圏に大体限定され、周辺諸国で観測されたという話は聞かない。チェルノブイリでは上に示すように原子炉2kmの地点で40万Bq平米のプルトニウムが観測される程の飛散でもそうなのに、何故原発周辺で殆ど観測されないプルトニウムが米国まで飛散していると言えるのか、理解に苦しむが、まあここで議論するような事でもないのかもしれない。
以上、チェルノブイリ事故との比較で非常に問題なのは、これら多くの被曝を不幸にして受けたチェルノブイリの人々の存在を全く無視して、ベラルーシ政府が事故後5年経ってまとめた汚染地域区分のみで、現在の福島事故と比較しようとする点である。現在のチェルノブイリで放射線障害の後遺症に悩む人々は非常に多い。だがそれは事故当初にソ連政府の無為無策のお陰で一般住民まで急性放射線障害を引き起こす程の被曝をした人々の後遺症とも言える訳であり、初期に大きな被曝をせずに後からその場所に移り住んだ人の調査、所謂低線量長期被曝の知見ではないのである。またベラルーシ政府の汚染区分に関しても、初期被曝がない状態でその地域に住み続ける事のリスクに関する統計というのは当然存在しない。私自身の印象では事故後5年たって、このような汚染区分を作り、人々の移住を進めて(実際に移住が徹底されたとは言い難いが)も、正直放射能は年代と共に指数関数的に少なくなるならば、最初の5年に何も講じなかった時点で手遅れであり、単なる付け焼き刃であるのだが、政策によってもたらせる住民の健康への効果よりも中央政府であるソビエト連邦に対する強い反発から打ち出されたといった面があるように思える。もちろん放射線を浴びない事はリスクを減らす上で非常に重要なことではあるのであろうが、、確たる参考になる知見のない汚染区分で一体何が解るのかも疑問でもある。この低線量長期被曝に関してはECRRのスウェーデンの研究等が一部盛んに取り上げられていて、120kBq/m2程度のセシウム137汚染でもガン発生率が増大する等盛んに喧伝されているのだが、それも以下のブログに書いてある通り学問として非常に怪しく疑問点が多い。
http://d.hatena.ne.jp/buvery/20110520
むしろこれから低線量長期被曝に関して、しっかりとした知見を得るために福島原発事故に関して比較するに相応しい事故例を挙げるならば、チェルノブイリとほぼ同じ時期にブラジルで起こったゴイアニア事故のほうではないだろうか。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-03-02-04
チェルノブイリにおいては地上の長期汚染はセシウムのみならずストロンチウムとプルトニウム、アメリシウム汚染も非常に深刻である。対してゴイアニア事故はセシウム137と核種が一つに絞られる点である側面では非常に福島原発事故に近い。またソ連からCISへ、そして民主化をへて独立といった一連の政治的混乱とも無縁な点では解りやすい例なのではないだろうか。ちなみにゴイアニアの避難基準は以下の通りかなり緩いものである。
この基準を現在の福島原発周辺に当てはめると、飯舘村の大半は非汚染地域に、原発構外に関してはほぼ全ての場所で妊婦などの制限をつけた低汚染住宅地ということになってしまう。ちなみにセシウム137で10μSv/hという線量は単純計算で480万ベクレル平米という事になる。これ程緩い制限をしたゴイアニア事故に関して、その後の住民の健康に一体どのような事が起こったのか研究することこそが、今後の福島の低線量被曝についての重要な知見になるように思えるのであるが、残念ながらゴイアニアに関しては資料が少なく、確たる研究がされていないようにも思える。
以上チェルノブイリとの比較について自分の理解している範囲で書いてみた。まだまだ書き足らない事もあるのだが、それは次回にしようと思う。
home.hiroshima-u.ac.jp/heiwa/Pub/41/41-imanaka.pdf
の今中さんの資料の表2に555-1480kbq/cm2のゾーンは強制(義務的)移住ゾーンと記述がありますね。
2008年の広島大学平和科学シンポジウムの資料のようです。
第33回 核の被害再考(2008.11.28)
川野徳幸(広島大学原爆放射線医科学研究所)
「セミパラチンスク地区の核被害:アンケート調査・聞き取り調査から見えてくるもの」
今中哲二(京都大学原子炉実験所)
「チェルノブイリ原発事故の調査を通して学んだこと」
山本政儀(金沢大学環日本海域環境研究センター低レベル放射能実験施設)
「ビキニ原爆被災事件から半世紀:今思うこと」
濱谷正晴(一橋大学社会学研究科)
「原爆体験と〈心の傷〉」
チェルノブイリは燃えてしまったからですか?
今中さんのレポートにチェルノブイリ事故の実態が示されています。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/kek07-1.pdf
東電福島原発1、3、4号機は水素爆発で原子炉建屋上部は崩壊しました。
格納容器の健全性は一部破損があると思われますがある程度保たれています。
チェルノブイリ原発にはそもそも格納容器がありません。原子炉の暴走によって
原子炉容器が破壊され、炉心が直接むき出しになり、
炉心構造材である黒煙の火災とともに、大量の放射性物質が放出されました。
そのため、ウランやプルトニウム、ストロンチウム、アメリシウムなども放出されているわけです。
厳密にいえば黒煙減速炉と軽水炉で核燃料の濃縮度が違うとか、燃焼度が違うとかで
核分裂性生物の組成が異なるというということもありますが。
チェルノとは状況が違うのに、ネックレスになるとか
やいのやいの言う人達にはウンザリです。
でも、
低線量長期被曝がこの先何をもたらすのか、わからない。
それが怖い。大丈夫、いや心配…その葛藤。
やっぱり福島の子ども達はモルモット?と思ってしまいます。
福島の子ども達には、年に一度は、徹底的に人間ドッグのような
健康診断を国で行って欲しいです。
学校、学級単位で行えばよいことですから。
とはいえ、飯舘村などはもっと迅速な避難をすべきだったと思います。「ヨウ素に関しては半減期が8日間と非常に短い為、初動が最も重要になる」ということは、飯舘村の人々にも勿論妥当するでしょうから。よく言われるようにSPEEDIの予測で早期に分かっていたのですから。福島の場合、20q圏の避難は非常に迅速だっただけに、飯舘村についての初動の遅れは、実に残念です。
それで全部の「福島原発事故に関して日々思うところ」を書いてる訳?
あんたが原発大事故に関して思う事ってそれだけなの?
工作員は何も心配ないから気楽でいいね。
25年経った今でも放射能による被害は出ているわけですし、日本は同等以上の対策が必要と感じますが、どうでしょう。
http://www.asyura2.com/11/genpatu15/msg/804.html
汚染レベルが判るまでは周辺住民も避難させる、というのが普通です。
「直ちに問題無い」なんか言って人の命をもてあそんだ学者や政治家が許される訳がない。
被爆して困っている人たちの為?
それとも「直ちに問題無い」って言いたいわけ?
どっち???
被災した上に被爆して、これからが不安な人たちの為なら意味ないでしょこの内容???
知識が有って分かっている事があるなら、彼らの為に今どうしたらいいかを書くべきじゃないの?
そこがごっそり抜けてるよ。
知識ひけらかして論点をずらす。
まぁそれに惑わされる人達もどうかと思うが、、、。
結局学者なんて肩書きにあぐらかいてるだけで
言うことといったらそんなものだよ。
ただ、そんだけなんだよな。
今やらなければならないことは誤魔化して論点をずらすことではないんだよ。
もし、誤魔化してなどいない!って本気で思うなら、もうそれは仕方がないですな。
人間性に問題があるだけですから。
木下黄太氏のブログを信じていた人にこの記事を紹介したらすごく感謝されたよ。
「あいつにだまされた!」っていってたね。
事実を書いているだけなのに誤魔化しだの御用学者だの言われてしまうとは…
すべては日本政府の今までの行動がダメダメなせいで不信感が消えないからですね。
日本政府がもうちょっとマシだったら、と思わずにはいられません。
ってタイトルで4ヶ月に2回・・・
確かに木下さんとの違いは分かりますし参考になります。
でも、彼の書いた事で間違いは有るかもしれないけど・・・かなりの人が助かっていますよ。
この2回だけでこの内容、チョット疑われますよ。
知恵が有るなら困っている人へのアドバイスとか回避方法を伝えてください。
心配されている方は、考え方の温度差に困っているのだから・・・ お願いいたします。
次回を楽しみにしています。
問題は学ぶべき内容があるかどうか。
当方としては木下黄太氏のブログは真偽不明の内容が多く、アレを参考にするといろいろ失敗する危険を感じる一方、
このブログには学ぶべきところが多いと思うね。ソースがしっかり示されているのも好印象。
(参考)同様の論考がなされている例
http://togetter.com/li/179877
内容も論理的で何を根拠に判断されているのか、明確です。
本来はこのような内容のものがきちんとしたメディアに取り上げられるべきと思うのですが、今の日本にはまともなメディアがありませんから残念ですね。
貴重な情報をありがとうございました。
えっと知識のひけらかし。しったかぶり等々色々御意見あろうかと思いますが、
自分が調べた限りでのチェルノブイリとの比較における、様々な誤解の部分について書いたまでです。何が安全で何が危険というのは一概には言えませんし、これは人それぞれかと思います。1%でも危険が増えると思うのであれば、そこから逃げたい。あるいは自分の愛する子供のリスクは少なくしたいというのは人としての心情でしょうから。
ただ、「チェルノブイリでこうだから、福島ではこうなる」と語られる前提が間違っているのであれば、そういう誤解はしないほうが良いのではないかと思ったまででして、、、
また色々書いていこうと、別にも書きためているのですが、、何というか長ったらしくなってしまうのが、自分の癖でして、、まとまりがつかない状態でして、、、併せて無精極まりない性格でございますので、、返信とかすぐにできない、色々ダメダメ人間ですので、あしからずご容赦の程を。
側溝など汚染地が極端に高い場所の数値で地域全体が汚染されたかのように煽る人も、何度指摘されても五年後に作られた避難基準を持ちだす人がいるのも、安全安心の一点張りで汚染状況の発表を含め常に後手後手で「騒がないと何もしないのではないか?」という政府の態度にもうんざりします。
どちらも一見考えてるようで被災地の事は考えていないのが共通点ですね。
文部科学省による航空機調査、土壌調査などで汚染状況はかなり分かるようになってきました。このデータにより迅速に除染などの対応をしてもらいたいですね。
間違った解釈をしていたので参考になりました。ありがとうごさいます!
素晴らしい記事だと思います。参考になりました。
一般の方には放射能被害が確率論的に発生するということは理解しがたいでしょうし、
放射能リスクに対して100%の安全を求めて奔走するのももはや仕方が無いのだと思います。
自分の信じる説しか信じれなくなり、国際的に認められている(学会査読を通過した)論文なども(誰々が言ってたから)根拠無く絶対違うと言い張ってしまう…。
以前「福島の事故がチェルノブイリよりも(対応等含めて)酷い」という主張を見て、
(直感的に考えてどんな理屈を捻ろうと出てこなさそうな話なので)ショックを受けた
記憶があるのですが、単純な仮定の置き間違えの可能性が高そうなのですね。
もうちょっと時間が取れたら提供いただいた数値を自分でも計算してみて、
勉強してみることにします。
旧ソ連政府より日本政府がダメダメでは無い事が判り、安心しました。
もちろん、だからと言って大丈夫だとは思って居ませんが。
取り敢えずお礼まで。m(_ _)m
少し気になった点が、プルトニウムは飛ばないとされてますが冷戦時代のが日本にあるのはどういうことなんでしょうか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%90
ここまで高くまで巻き上げられれば、ジェット気流等に乗り世界中にプルトニウムが散らばることになるのは当然の事かと。
チェルノブイリの爆発では炉が半分吹き飛んで完全に暴露されましたが、証言によれば花火の爆発のような感じだったそうです。核実験の爆発とは全く性質が違い、物体を飛散させる初速がまず違いますし、規模も比較にならないでしょう。核燃料が火山の爆発のように飛散したのでしょうが、大きな塊でも数百m飛ぶのが精々で、細かいチリ状になったプルトニウムが30km圏境で3,700Bq/m2の濃度、原子炉から2kmで400,000kBq/m2といった感じで分布したそうです。(どちらも文章中にリンクがあるIAEAの事故報告書に書いてあります。)この分布の性質を考えれば、風によって遠い場所にホットスポットをつくるセシウムやキセノンのようなガスとは全く違い爆発による飛散で中心部が一番濃く、遠くに行けば非常に薄まる感じが解ると思います。
まして炉が上方に壊れた訳ではない3号機の水素爆発程度ではなかなか飛散することもありえないかと。大気中に放出されたプルトニウムは0ということはないですが、炉から放出される希ガスに運良く乗っかったものが出たのではないかと、、良く3号機の爆発で飛散したという意見を聞きますが、炉から直接というよりは、希ガスに乗って建屋内に充満した希ガスと一緒に出てきた少量のプルトニウムが爆発で飛散という形でしょうから、直接飛散したチェルノブイリとは比較にならない程度で済んでいるはずです。(最新の記事に書いておきましたが、チェルノブイリで放出された5000分の1程度だそうです。)
また核兵器の恐ろしさを語るエピソードとして、ビキニ環礁における水爆実験(キャッスルブラボー)における第五福竜丸の被曝事件がありましたが、、あの第五福竜丸は米国の安全基準で爆心地から160kmも離れた場所にいたんです。ただ米国の計算が間違っていて当初より規模が大きい爆発になってしまった為、また風下で打ち所が悪かった為に巻き上げられた死の灰を直接浴びてしまったらしんですね。乗組員が浴びた放射能は2Svと言われています。160km離れていて2Sv(2,000,000μSv)という凄まじい被曝なんですから、どれだけ高く放射性物質が核爆発によって巻き上げられるか良くわかるかと、、
だが、事故による高濃度汚染は事実なのだから、
「チェルノブイリでこうだから、福島ではこうなる」という
喧伝が誇張てあっても、福島は安全ということに決してならない。
(科学的には年間100ミリシーベルト以下の被曝における身体への
影響はわからないというのが正しい答)
チェルノブイリ比較論の矛盾をつくことで、軽く思わせる心理的
効果はあるかもしれないが。
みんな守りたいですよ。避難できるならすればいい、だけど事情あって避難できない方いっぱいいるんです。
あの方のブログとか、あのグループとか。。。見てたら違う意味で病気になりそうです(笑)。腹痛、鼻血なんでも放射能の疑いと出しますが、食べた後ならまず食中毒疑ったらどうでしょうかと。
またお待ちしております。
感謝。
日本と比較してどうなのか
移住の事だけ比較しても情報が足りません
もっとたくさんの事が知りたいので、宜しくお願いします
ツィッターで@shanghai_iiさんがまとめてくれたのが非常に詳しいかと思います。
http://twitpic.com/5epxe2/full
枝葉末節のトラップに嵌るべきではありません。
計測の難しいダークマターですらその総量によって宇宙の構造に効いているらしいのに、
十分に計測できる高い濃度を持った広域の大量核汚染が何も起こさないはずがありません。
そこからの視点はいかがでしょう?
speediによっておそらく知っていた高濃度汚染気流域から子供たちを避難させなかった政府の重罪。
これは確実に効いてきますよね。
レベル8の理由はその総量がどでかく収拾のめどがたたないからですよね?
落下核種ごとの分布の流れ具合、半減期と初動、プルトニウムの計測が困難なこと
などなど細かい方向で試行錯誤することが全く無意味とはいいませんが
大局で効いてくるものを考えるべき。
数値の誤差や表現の過微をここでなじりあう意味はないでしょう。
吐き出された核物質の絶対量は問答無用に悲劇を招く方向に進んでいると考えるべきです。
立場や感情的問題を子供たちの命と比べることができるはずがないでしょう。
難しい話ではないのです。
誠意と覚悟の問題です。
専門家ならまずシンプルに国が大きく「腹をくくって子供と若い女性たちを救いきる覚悟をきめる」ように促すべきでしょう。
「客観的視点を伝えただけだ、」というのはすりかえですよ。
何度でもいいますが
総量という決定的なアングルを細部比較というコンセプトで抹殺しているからです。
過剰な不安をもった人達に是非読んでもらいたいですね。
Posted by at 2011年09月06日 10:36 は単なるフェミニストの戯れ言だが、こういう偏った感情的な意見に政治が振り回されると本当に終わる。そういう何の解決にもならない発言がTwitter等で蔓延する中で、このブログに書いてあることは有益であった。
私も、なんだかんだ言ってチェルノブイリは事故時に相当数の高線量被曝した人がいて、その人たちが主に発症しているのではないかと想定します。
もう一つはいまだに10万Bq/kgのキノコなど食べている人たち。
その被害状況を見て、すなわちこれが福島の数年後だと断定すべきではないと思う。
ただ、どうしても気になるのは、ベラルーシ等で事故の数年後に移住基準を大幅に厳しくした点。
地元自治体は、それなりの被害を実感していないとこうしたことはしないはず。
そう考えると現時点の少ない情報のもとでは、リスク回避の観点から、状況は厳しめに見て対応したいところ。
避難リスクについては、よそから言われずとも当事者は十分にわかっているはずです。
とにかく専門家には当時の各地域の事情をしっかり調べてもらい、
このブログの考え方に添ったようなきっちりした比較をして、報告書をあげてほしい。それも早急に。
そう考えます。
極度に煽る、または根拠なく安全だという二極論では議論はかみ合わず、イライラするだけですよね。
私はいわゆるホットスポットから子供のことを考えて引っ越しするという選択をしましたが、
考え方は人それぞれで、最後に判断するのは自分自身でしかないです。
これは本当に温度差がある問題で、自分自身の行動を正当化するための情報のみを収集するバイアスがどうしても掛かってしまう。真実は数十年後にしかわからないのでしょうか。。
自分の子供を持ったとき、私は科学的・統計学上の有意差の有無よりも、わからないものは安全側で考えるという思考を実践しました。これは親としての心情的なもので、統計学的に言ったら、交通事故に合わせないようにするために引っ越しするくらいナンセンスなのかもしれません。
安全か・危険か・逃げるべきか否か・こんな議論は不毛なのかもしれませんね。
正直、このブログも、木下氏のブログも、どちらもどうでもいいと思っています。
避難した人間は、危険な情報を探そうとする。福島に残った人間は、安全な情報を探そうとする。そんなくだらないことで、労力を割いているぐらいなら、読まない方がまし。
安全か危険か分からないのなら、まずは居ないのが1番。福島に残った方々には申し訳ないのですが、五年後、福島の子供たちに何も起こらなければ福島に戻ろうと思います。
どんな情報であれ 一つ一つ検証されるべきだと思います また不正確な情報が放置されると
それが巡り巡って差別や別の問題が発生する事態も十分に考えられます
例えばデマや極端な情報を元に 避難した先で自分や子供が差別されたら
たまったもんじゃありません ですのでこういった情報は検証されるべき
どうでもいい事じゃないと思っています
http://ameblo.jp/gris-nyny/entry-10915355887.html
全くの素人ですので、至らないところも多々あり、
また、こちらの記事程沢山の情報を検証してもいないのですが、
素人目線で「分かりやすく書く」という目的は果たせたと思っております。
自分の中では自分の調べた事を「根拠」に、現状の評価(「チェルノブイリ同等」はおかしい)をしてきましたが、
あまりにチェルノブイリのような状況を恐れている方が多く、
「参考にした今中氏の資料」「そこから出した自分の結論」に、少し自信をなくしておりました。
ですので、こちらの記事を見て安心しました。
(あ、「安心」という言葉は危険かもしれませんが…)
私は3歳の子供を持つ母ですが、
現状が「危険」でも「安全」でも、かまわないと思っています。
…いや、「危険」は状況的には良くないのですが、
現状を判断した上での「どうするか?」であると思うので、
危険であるというのであれば、危険を回避することを「ポジティブに」検討すると思います。
ですがこちらのコメントにも数人いらっしゃいますが、
情報を読みこむだけの「基本的な知識」すら理解していない状態で
「危険な事には変わりない」等の反論をする方が多い事に、疲れ果てております。
これだけの情報を示しているのにも関わらず、「情報が足りません」というのも同様に、
「調べる」「検証する」を、人任せにする方も多過ぎます。
「危険」と「危険っぽい」は違います。
後者は、差別に繋がる発言だと思っています。
私は「危険を回避すること」だけが、「子供を育てる事」だとは思っておりません。
「危険っぽいから避ける」そんな姿を、子供に見せたくはありません。
……と、少々脱線しましたが、
この記事のように、「しっかりと根拠を示した上で、検証する」これは、「安全を煽る」行為とは、全く異なります。
(私が書いた記事を読んだ方の中には「プロパガンダの育児ブログだ!」と言っている方もいました。……なんだそれ。。。)
こういった記事を反論するのなら、その反論にも根拠を持たせてほしいと感じます。
「自分と違う意見だから」と、
御用学者やプロパガンダ、安全厨というように「分類」し、聞く耳を持たない。
……一体、何から何を、どうやって「守る」つもりなんでしょうか…。
私はこの記事、とても参考になりました。
そして、これだけのことを調べ、まとめて下さったことに感謝します。
ここでの内容を自分の「知識」とすべく、与えられた情報を、自分でも調べてみたいと思います。
ありがとうございました。
この情報が何かの結論をもたらすものではなく、単なる比較の詳細なのだということを、読む側が気付かなくてはいけませんね。
この情報を元に、安心するも危険を感じるも、個人の自由、ということ。
ただ、個人的には、政府には安全策をとって避難しやすい制度を作ってほしかったし、学校も一時疎開などしてほしかった。命は失ったら戻ってこないのだから。
公聴会で市民が、『MOX燃料を燃やす炉での事故は、通常の炉での事故の4倍悪いものになるというのは本当ですか』と聞いた時、電力会社側は、「事故が大規模の被害を招くのは、燃料が発電所の外に放出された場合だけだ」とお茶を濁したそうですが、実際のところ何倍になるのでしょう?
その後住民の要求に応じて政府は「最初の年には5 mSv、その後70年にわたり毎年平均1 mSv/year」とするように地域を除染した。IAEAの文献などにも書いてある。
それとも明らかな健康被害が出てから移住すればいいとでも仰りたいのですか?
ローズさんの指摘については、まずMOX燃料は3号機炉内に装荷されてはいましたが、使用済み燃料プールにはMOX燃料はありませんでした(IAEAへの報告によれば。だから爆発による使用済み燃料プールの影響にMOXは入れる必要はない)。炉内に装荷された軽水炉燃料は燃焼に伴いウランの一部がプルトニウムに変化します。MOX燃料と燃焼した軽水炉燃料とで被害の評価はそんなに変わらないと思いますよ。事実このHPの「(09/01)プルトニウム2万3千倍の話について」ではプルトニウムの放出量評価は3号機より2号機の方が多くなっており、燃料種類の違いより格納容器バウンダリの破壊程度の方が影響が大きいと評価されています。
みみさんの「5年間放置されてた」の件については、その5年間の間の汚染はヨウ素、セシウム134の半減期を考慮すると5年後より遥かに高かったこと、その間放置された区域では食物の制限がなく1000Bq/Lレベルの高汚染牛乳などが摂取されていたことにより体内に蓄積したヨウ素、セシウム量が高かったことなど、「5年間放置されてた」間の影響が大きかったことを考えれば、比較する上で重要な点が見落とされているということです。このことは例えば児玉教授が尿中のセシウム量を事故後10年以降の測定で6Bq/Lが膀胱がんのリスクが高まる旨の話をされていますが、この量を事故直後の日本と単純に比較するのではなく、事故後10年後の測定なので、それ以前はより汚染されていた可能性が高いということを踏まえた上で比較する必要があるということを示していると思います。
きちんと内容読まれましたか?
管理人さんが所々でチェルノブイリの被害に心を痛めている記載がありますが、そうした管理人さんの気持ちをまったく理解できずにコメントするのはいかがなものかと思います。
以下本文から抜粋
>>チェルノブイリにおいて5年間以上放置されながら、5年後ベラルーシ政府が二次移住地域に設定したが、住民が避難した訳ではない555kBq/m2-1480kBq/m2の地域を日本においては計画的避難地域にしようということである。
上のみみとやらのコメントをはじめ、自分の頭で考えない者のコメントは削除すべきです。
せっかくの貴重かつ重要な記事が、ゴミコメントのノイズで価値が下がります。
科学的に正確に意見を述べる方たちは、少し優しすぎますよ。
比較の対象がチェルノブイリしかない為です。
福島の事故とチェルノブイリの事故の仕方は違うので
まったく同じ道は歩まないと思いますが、
放射能の危険は一緒だと思います。
そして、最大の違いは福島は半年以上たった今でも放射能を放出し
メルトスルーしてしまった核燃料を取り出す術がないこと。
人類初の事故。
収束のめどはまったく立っていない。立てることも不可能と思われる。
チェルノブイリのようにはならないかもしれないし
以上になってしまうかもしれない。
歳月を要しないと結果がわからない。
そんな事言ったら飛行機も乗れないし、レントゲンもCTも受けられないです。
あくまでここのページはチェルノブイリよりも酷い、という意見に対して
データを出して比較している訳ですから。
危険だと思っているなら、ここのページのデータをベースとして自分の意見をまとめたページを作れば良いだけです。
ただ、「チェルノブイリよりひどいとはいえない」ことを根拠として、現在の暫定基準値、放射性廃棄物拡散政策を肯定する理由にはならないと思います(当然ブログ主さんも肯定してはいないのだと思いますが)。
チェルノブイリ程度の対応では、あの程度の被害が出てしまったのであり、それより後の時代に生きる私たちは、それを経験として被害防止に活かすことができる立場なのですから、やはりチェルノブイリで5年後に実施されたことを直ちに行うべきだし、汚染は拡散しないべきということだと思います。放射線が具体的に遺伝子を破壊するメカニズムも当時より格段に判明しているようですし(児玉教授のビデオを見ると具体的な説明があります)。
いずれにせよ、なかなか正確な情報が見つからないなか、このような情報を提示してくださるブログは貴重で、感謝しています。私は、木下氏の活動に賛同する者で、今後も同様ですが、ありがとうございました。
適宜修正していかれることを期待しております。
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/distribution_map_around_FukushimaNPP/0002/5600_0930.pdf
この資料の一番したに過去に全国のプルトニウムの土壌採取における平均および上下限、そして比率等が乗っています。
>平成11年度から20年度の調査で採取された1,054試料の土壌濃度の平均値及び範囲:
>プルトニウム238 :平均値:0.498Bq/m2 範囲:検出下限値〜8.0Bq/m2
>プルトニウム239+240 :平均値:17.8Bq/m2 範囲:検出下限値〜220Bq/m2
個人的にはこの平均的数値と、今回の福島において検出された数値、平均よりやや高い部分があるとは言え、一体どこまでを福島原発産と言えるのか議論をするのは、神学論争に近いものがある点と、、
かりにも全国で原発事故が起こる前にプルトニウム238で8Bq/m2、239+240で220Bq/m2の場所があったという例から考えて、健康的被害云々を平米あたり数ベクレルで議論することは不毛なのではと考えます。
プルトニウムに関して巷の誤解等について、次のエントリーで1ヶ月前に書いてますので、参考にして頂ければ、
http://genpatsu.sblo.jp/article/47672277.html
自宅が福島第一原発から10km、1F-1の爆発翌日、線量計を持って自宅に戻り(あの時はほんとに絶望的な気分になりました)、それ以降何度か自宅に戻り、町内各所を定点測定をしていましたが、個人的には計数値の減り方が早いのは何故か?と感じていました。
その原因が自分なりに消化出来たような気がします。
Cs-134とCs-137の放出量が同じくらいであれば、この半年の間に線量値は下がりますよね。納得です。
自分とその家族は今回の事故の被害者ではありますが、あまり感情的になりすぎず、実際に自分で計測してきた結果と科学的な見地から導かれたコメントをしっかり確認してこれからも不安になり過ぎずに経過を見ていきたいと思います。
後は自分で判断します。
セシウムの半減期云々がどうとか論じたところで
依然として放射能が危険なことに変わりはありません!
それにプルトニウムは微量でも大変危険らしいですよ!
どんなに安心・安全を吹聴したところで「危険である」という事実は消えませんから!
直接比較することが出来ないことがわかりますね
>大阪ママ
ええ、放射線は危険ですね
農薬も危険です
そこらじゅうにある雑菌も危険です
その危険の度合いを評価せず、考慮せず、ただ騒ぐのは無意味ですね
プルトニウムなら、少量でも危険ですか?
人体には過去の核実験で世界中の人間にプルトニウムが存在していること
土壌には原発事故前からプルトニウムが存在していたことは事故前から公開されており常識ですが、子供たちがそんな環境で遊んでいたいままでは異常だったのでしょうかね
そうやってキーキー騒いで何の意味があるんだろうね。
「らしいですよ」って、自分でもおかしいと思わないんだろうか。
原爆もチェルノブイリもスリーマイルも状況が違う
福島市に住んでますが地域によっても状況が違う
一つだけ言いたいのは○○と比較して安全と伝えるほど危険厨が騒ぐ
警戒するにこした事がないものを安全と唄うのは勘弁願いたい
調べ尽くして分かったのは、どんなに議論を重ねても未知の世界からは答えは見つからない
分からない恐怖と差別から逃れたい
>プルトニウム、アメシウム汚染も非常に深刻である。対してゴイアニア事故はセシ
>ウム137と核種が一つに絞られる点である側面では非常に福島原発事故に近い。
こんなことを書いている時点でもうアホかと。www
福島原発ではストロンチウム、アメシウムも検出されまくってますが?
核種がひとつに絞られるってぇ??(爆笑)
読む価値なしでしょう
量の問題ですな。
検出されまくってる?
その量を核種、事故、実際の検出量で比較した上での発言ですか?
変に「真に」とか、「公正な評価」とか、ろくに基礎を勉強せずネットの上の信頼性の低い情報を多くの根拠に、結論を急ぐより、0311以来続いている
「東電・保安院・政府経産省・民主党政府」の暴挙に、一致団結して戦わなければ、
この国に未来はない。
ただ、自分や家族の年齢、被曝量、社会的な位置、等考えて、結論は各自が出すべき。
啓蒙書も読んでない人間(ここの書き込み者の一部)に、他人様を啓蒙する資格なし。
つまりは、ここは総じて、空虚な話。
(例えば今中先生の情報が信頼できるなら、それを機械的に集めるサイトでも作ったほうがよほど有用かと。)
一番上の保安院発表のデータが、どれだけあてにならないものか。(間違いと100%断定しないが、ほとんど間違いであろう。)東電・保安院、既存マスコミは事故の概ね3日後以来、国民を騙し続けている。
そういう中で、正しいデータに基づき、とあるが、ここに書き込んだ誰が「正しいデータ」など持っているのか?
判断は、個人単位で。判断できない弱者=子供の責任は親が取るしかない。
大人は自分で判断すればよい。誰の情報も聞くも聞かぬも個人の判断。
専門家でもないのに、おせっかいに、「Twitterの誰それがデマ」などと流布すること自体がデマになりうるのでは?
静かに、各自、今後の身のふり方を考えるべき。
ちなみに、おそらく99%以上正しいこととして、首都圏の子供達は、事故以後2週間で、ICRPの言う被曝基準で1−数年分の放射能を既に浴びているということ。遅くとも数年後には(普段は稀有の)甲状腺がんの激増などという形で、その被害が明らかになってくるはず。
多くの資料から、正確な理解を促していることは、とてもありがたかったです。
しかし、コメント欄に、「ホットスポットに住んでいるが、安心した」とあって、少し心配になりました。
安心できる材料は、このブログ記事のどこにもありません。
分かっているのはどこまでか、ということだけです。特に低線量被ばくの影響、内部被ばくの影響は、データがない、ということです。
読んで誤解する人がいるのだけが、残念です。
新しいデータで考察することは同意するけど、
>判断は、個人単位で。判断できない弱者=子供の責任は親が取るしかない。
>大人は自分で判断すればよい。誰の情報も聞くも聞かぬも個人の判断。
と書いているということは、あなたはそれなりの勉強はしてるんだよね?
その割には、何で確率的影響と確定的影響を混同しているの?
そこを混同しておきながら、情報を取捨選択しろ、というのは意図的?
>古いデータは意味がないさん
えっとその欧州の研究者のデータは僕も読んでみたのですが、4号機の使用済み燃料プールから放出されたセシウムの量を無茶苦茶多く評価している点が何というか今ひとつ信用性に欠けるような気がします。4号機使用済み燃料プールから以外は保安院発表のMELCORによるシミュ結果と殆ど同じ数字という事は、4号機からの放出が無いと判断すれは評価的には今までの保安院発表と同じということになるのではないかと。
管理人さんの冷静で客観的、資料に基づく解説、納得です。ここまで資料を集めたり整理したりと大変だったことでしょう。ご苦労様でした。大いに勉強になりました。(なんて書くと、たちまち、「御用学者の仲間!」と言われそうで ^ ^;
私は東京都在住ですが福島に友人が多いこともあり、事故直後からあれこれと資料を漁って、自分なりに検討しました。確かに放射能は怖い...それは事実でしょう。ただ、「どのように」「どの程度」危険なのか... その点をきちんと資料に基づいて(あるいは事実に基づいて)判断することが重要です。その結果、私は、今回の事故の影響は限定的なものだろうし、東京に住む我々が神経質になる必要はないと考えています。
今すぐ影響が出なくても将来でるかも知れない...それもあるかも知れません。ただ、それも、「放射能は危険だ!」という感情論ではなく、何らかの科学的推測や事実に基づいて検討する必要があります。
一つの事実を挙げます。1960年代に米ソの核開発競争があったときに、オープンエアー状態で核爆発実験が行われました。その際、発電所の爆発(水素爆発)など比べものにならない大量の放射性物質が空中にまき散らされたのです。それも、1回ではなく何十回(回数は分かりません)も。今の福島の事故と比べものにならない量の放射能が大気中に拡散し、世界中にまき散らされました。(IAEAの推定ではチェルノブィリの1000倍以上とか)
その時幼かった私も大量に放射能を浴びたと思いますが...現在に至るまで、私を含めて同級生の誰も甲状腺ガンや白血病で死んでいないんですね。また、現在の50代、60代が特にガンや白血病が多いという資料も見たことがありません。あれから50年以上経っていますが。(これから出るのかな ^ ^;
ついでに...イランのラムサールという村は自然放射線が高いことで知られています。調べてもらえば分かりますが、年間積算被曝量10ミリシーベルトに達するそうです。これは、日本の基準の10倍以上です。そこでかなり綿密に疫学的な調査が行われていますが、特にガンなどが多いことはないそうです。
すみません。根拠となる資料を提示できなくて(管理人さんと違って面倒くさがりなので)。ただ、上記については、インターネットで探せば、すぐに何らかの資料が見つかるはずです。
結論、騒ぎすぎないことでしょう。風評被害が蔓延します。福島の人々、特に農家や漁業関係の方々に気の毒です。また、子どもたちの健康を心配しすぎるあまり、神経質になり過ぎるのも...子どもたちに余計なストレスを与えるようでかわいそうです。もちろん、きちんとした検査は必要でしょうし、健康管理に留意することは必要でしょう。ただ、騒ぎすぎるのは子どもの生活には負担になるのでは。
最後に、専門家の端くれとして言わせていただきますと、世界中の専門家のほとんどは、どの分野であれ良心的に調査、研究をし、結果を発表しています。IEAEや政府が一致して世間をごまかしている、証拠を隠蔽している、そのために「御用学者」が資料をねつ造している...などの話が聞かれますが、今回のような大事故や1960年代の放射能汚染の調査結果については、あまりに関わる専門家が多すぎますので、ごまかし通せるものではありません。必ずどこかでばれます。一時的に、一部の専門家が一部の資料をごまかすことはあり得ても、広い世間を、長い期間、全部の専門家が一致してごまかし続けることは考えられませんね。
ま、専門家と言っても個人の信念や価値観も違いますし、基礎となる資料、分析方法、推論の過程などは異なっていますので、結果がまちまちになることは良くあります。それは仕方ないですが。
だらだらと書きましたが、管理人さんの努力に敬意を表して、一言付け加えておきたいと思います。
放射線そのものよりも放射線ストレスによる健康被害の方が大きかったそうなので、
過度に恐れるのも問題でしょうね。
「強制移住」については、ロシア、ウクライナ、ベラルーシで対応が微妙に違うようですね。
ウクライナにおいては、「強制移住」という文字を見たことがあります。管理人さんが紹介されている資料でも、ウクライナでは0.3千人になってますね。
241って言ってるからそうですかね。
なぜなら、事故の一番ひどかった時期は、西風が卓越していたからだ。
太平洋の汚染状況がすっぽり欠落したおかげで、チェルノブイリより汚染範囲が少ないように見える。
それに気付けないなら間抜けだし、気付いていて黙っているなら屑だ。
学校の先生とか、子どもがいる人とか、勉強することの意義をこういうことから教え続けてほしい。
自分で調べようともしないで、甘ったれて勉強もしないで、ただ騒いでる人が多くて日本てこんな馬鹿な人ばっかりなのかってニュース見ててびっくりしました。今まで見たことがない突然の問題が起きたとき、知識がないと多少なりともお荷物になる。こういう分析ができる人が減っていかないといいなと思いました。
まったく違う分野で今研究を続けていますが、私は私のフィールドで、知識をつけて、愛すべきお荷物を救える人間になろうって思えました。
なんか勝手に感銘をうけて勝手に決意してますけど、今海外での勉強がけっこうきつい時期だったのでこういう記事みると頑張ろうって思えます笑
ありがとうございました。
前から疑問に思っていたのですが、福島三号機は確かMOX燃料を使っていましたよね。プルサーマルをやっている原子炉が事故を起こすと、普通の炉の何倍も危険と聞いたのですが、今回飯館村からプルトニウムが検出されているというのは3号機にその要因があるのでしょうか?考えをお聞かせください。
確かにチェルノブイリに比較すると福島の事故の規模は小さいように思われるのですが、プルサーマルをやっていた炉が事故を起こしたという事と、3つの炉が炉心融解しているという事、海洋汚染や地下水の大規模な汚染という点がチェルノブイリにはなかった点かと思います。そういう観点で見ると決してチェルノブイリよりも被害が少ないと言えないのではないかと思います。時間がありましたら海洋汚染の考察もしていただけますと嬉しいです。汚染が心配で我が家では魚はほとんど買わなくなりました。
頭の隅においとかないといけないですね。勉強になりました
上記ヨーロッパの研究者の発表は、その点を反映してないのでしょう。
プルトニウムやストロンチウムの検出について誤解してる方も居ますが、4Bq/m2という数値は、震災前の0.5〜8Bq/m2と比べても多いわけではありません。かなり時間をかけて分析して、その他の微量元素などから恐らく福島原発由来があるというものです。チェルノブイリの何万Bqとは比べものにならないでしょう。
ストロンチウムにした所で、横浜の高濃度の発表は誤検知であることが判明しています。
またプルトニウムの由来は、原発敷地でのプルトニウム採取から2号炉由来が多いようです。3号のMOXというより破壊モードですね。
私としては、2号炉の破壊が一番深刻だと考えています。現在のログを見る限り、1号と3号では爆発で弁が抜け圧力容器と外気が接触したのに対し、2号は格納容器の設計値以上の高圧状態が2日以上続いたあげく、15日のいつかの時点で内圧で破壊され、そこから大量の放射性物質が漏洩したと考えています。
封じ込めや燃料取り出しに最後まで苦労するのも2号炉になりそうです。
チェルノブイリでは5年間30キロ圏外の住民が移住しなかったために、放射能による健康被害が大きくなったということは確かだと思います。
3号機の爆発が建屋上部と格納容器の一部破損だけというコメントは、たぶん事実ではないでしょう。爆発の映像を見れば、低い位置で閃光と火を噴き、上空高く煙が立ち昇り、上部ではきのこ雲のように広がりました。浪江町に居た住民の話では、地面を突き上げるような身体が飛び跳ねるほどの強い揺れと爆発音を聞いたそうです。これが1号機のような水平に煙が広がる水素爆発とは思えません。
アメリカ、ソ連の地上、海上での核実験でチェルノブイリの1000倍もの放射能が拡散されたが、健康被害が出てないとの専門家と称する方のコメントがありましたが、これも、医学的に厳密な証明はできないというだけで、核実験の数年後から癌での死亡率が右肩上がりではっきり増えています。さらに放射能の健康被害を白血病と甲状腺癌や他の癌に特定するのも、医学的にみても間違いだと思います。
福島原発事故の放射能の(主な)核種が、セシウムに限定されるかのような記述がありましたが、政府、東電は、他の核種の総合的な測定を行なってないか、やってても詳細な結果は発表してません。その段階で、セシウム以外の核種は考慮に入れるほどの危険はないとは言えないはずです。
年間100mS以下の被曝量での健康被害は不明というのが科学的とのコメントもありましたが、どんなに少量でも被曝して安全といえる根拠はないというのが、今の定説だと京大の小出先生は言ってますね。広島原爆を経験した医師の方が長年に渡る詳細な臨床的調査と治療実績から言われてますが、低線量でも長期間、特に内部被曝すれば、なんらかの健康被害が必ず出るとのことです。それが表面化するかどうかは、個々人の体力、免疫力に左右されるだけの話とのことです。
いずれにせよ、今現在の放射性物質の拡散量を見れば、拡散は地下水、海水汚染を含めれば、まだ進行中で深刻な事態は脱してない状況なので、チェルノブイリと比較しても安全とか被害は少ないとか言える段階でもレベルでもないというのが事実に近いように思います。
ブログの記事は正確に書かれていて参考にはなりました。ありがとうございます。
ロシアの田舎の30kmと、福島の30kmは人口密度が全然違います。
残念ですが東日本では多くの人々がこれから健康被害に合う事は確実です。
しかし放射能の恐ろしさを理解できない低知能な労働者ほど、より多く被曝し死んでいくので日本社会にとってのマイナスはそれほどありません。
まあ「低知能な労働者」などと言って悦に入るような人の言うことですから、
聞くだけ無駄でしょうけれど
http://sokuteimiyagi.blog.fc2.com/
宮城県南部の汚染の様子を紹介する資料を現在作成中で、
本ブログ管理人様作成の、チェルノブイリとの比較図2枚
http://twitpic.com/6stmmw/full
http://twitpic.com/6dhy2b/full
をその中で使用させていただければと考えています。
ご了解いただきたく、お願いする次第です。
チラシにカラー印刷を考えています。
お返事いただければ幸いです。
ありがとうございました。
私は仕事で月に何回か福島で行く事もあり、事故後は放射性物を非常に警戒して暮らしています。
水は水道水は飲まない。食べ物も極力は南東北、北関東産のものと海産物は避けております。
勿論このような生活は辛いですが、健康被害の分からない、政府の発表も曖昧な表現、汚染牛の流通など続く中で、
何も考えず暮らして後々で後悔するような事のないようにと考えて暮らしております。
最近はチェルノブイリに関する講演や他のソースを見て、今回の事故は明らかにチェルノブイリより汚染が甚大で危険という内容もあり、
遅いかもしれないがリスクを減らす為には今からでも即刻避難すべきなのか悩んでいました。
こちらのブログを拝読してチェルノブイリとの比較において、30KM圏内以外の5年の放置があった事は知らず、少し心が楽になりました。
しかし、個人的には放射性物質自体、避けるにこした事は無く、内部被曝は外部被曝の数倍危険であるという事も言われている事や
長期間低線量についても更に自分で調べて色々と考えていこうと思います。
今後もしそういった内容についても取り上げて頂ければありがたいです。
ありがとうございました。
妻が、放射線に神経質になりすぎて、ノイローゼのように気にしています。
このまま千葉県に住み続けると子供が癌になって死ぬとまで言いはじめています。
この記事を見せれば、考え方が変わるかもしれません。
しかし、記事を書いている管理人様がどのような立場で、どのような人が書いているのかよります。(原発推進派の東大教授が、このような記事を書かれても誰も信じないように)
もし、よろしければ管理人様のプロフィールを個人アドレスにお教えください。
平成18年の死亡数・死亡率(人口10万対)を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物で32万9198人、260.9、第2位は心疾患17万2875人、137.0、第3位は脳血管疾患12万8203人、101.6となっている。
主な死因の年次推移をみると、悪性新生物は、一貫して上昇を続け、昭和56年以降死因順位第1位となり、平成18年の全死亡者に占める割合は30.4%となっている。全死亡者のおよそ3人に1人は悪性新生物で死亡したことになる。
心疾患は、昭和60年に脳血管疾患にかわり第2位となり、その後も死亡数・死亡率ともに上昇傾向を示している。平成18年の全死亡者に占める割合は15.9%となっている。
脳血管疾患は、昭和26年に結核にかわって第1位となったが、45年をピークに低下しはじめ、56年には悪性新生物にかわり第2位に、更に、60年には心疾患にかわり第3位となりその後も死亡数・死亡率ともに低下を続けた。平成18年の全死亡者に占める割合は11.8%となっている。
A年齢別死因
平成18年の死因を性・年齢(5歳階級)別に構成割合でみると、5〜14歳では不慮の事故及び悪性新生物が、15〜19歳及び20歳代では不慮の事故及び自殺が多く、30歳代、40歳代では自殺及び悪性新生物が多い。40歳代からは年齢が高くなるにしたがって、悪性新生物の占める割合が多くなり、男では60歳代で、女では50歳代でピークとなる。それ以降は男女とも心疾患、脳血管疾患、肺炎の占める割合が、年齢が高くなるとともに多くなり、男では90歳以上で肺炎が最も多く、女では85歳以上100歳未満で心疾患、100歳以上では老衰が最も多くなっている。 また、減少を続ける1歳未満の乳児死亡数は平成17年に続き3000人を下回り、その死因別構成割合をみると、先天奇形、変形及び染色体異常の占める割合が多い。
@A共、厚生労働省のHPから。
近年の死亡原因のトップが悪性新生物というのは誰もが御存知かと誤解しておりました。
医学の進歩の話や悪性新生物の原因まで論じるつもりは更々ありませんが。
放射能汚染に対してどういう行動をするかということは、個々人の行動原理の問題です。他人に対する無茶な煽りや安全宣伝はどれも意味がありません。そのようなことをする人は、なにかそれで利益が転がり込むことを期待しているのかもしれませんね。
人に自分の安全を任せずに、自分の信ずるところで行動する自己責任が大切です。
その意味では、管理人様は私が自分でこれらの資料を読み解く手間を大幅に下げてくださいました。感謝です。
>大学教員様
もしあなたが本当に大学教員であるなら、あなたの授業を受ける学生はたいへん不幸でしょうね。あなたの個人的な意見以外はすべて否定されてしまうからです。
さらに理工系の講義を担当しているなら、科学的に資料を評価して自分の主張の根拠を論理的に示してから発言したほうがよいかもしれません。そうしないと、学生さんから「また適当なことを言って」とスルーされてしまいます。
ただし、そのコストを誰が負担すべきかという話になると、このブログのような考察は必須になるでしょう。
安全係数をどのくらい取るかは個人の自由ですが、必要以上に高く見積もるなら、それは個人で負担してください、という話なのです。
ではその「必要」のレベルとは?
当然客観的事実に基づく必要がありますね。
フクイチでも10SV/h以上で針が振り切れてわからんと言っておりましたが?
25年も前に今よりすごい機械があったのでしょうか?
それから、子ども甲状腺の被ばくが10Gy以上とありましたが、今の福島の飯館村の子どもも、測定器が10Gyまでは測れるのでしょうか?
日立アロカのシンチでミリではなくシーベルト程の高線量まで針が測定できるのでしょうか?
急性障害で死んでいるのでは?と思ったものですから。
「恐ろしい事に等価線量で10Gy以上(単純に考えれば10Sv、10000mSv)以上の甲状腺被曝をしてしまった子供が約150人いる事が書かれている。また1Gy(1000mSv)以上は5500人、200mGy以上は約3万人という数字になる。」
上の図の、どこから150人や5500人の数が出て来たんでしょうか・・・。
9119 × 0.9% = 0.0153
13460 × 0.07% = 0.000308
26904 × 0.01% = 0.000016
5147 × 0.7% = 0.007
11421 × 0.04% = 0.000092
24442 × 0.01% = 0.000012
1475 × 1% = 0.027
2432 × 0.08% = 0.00048
4732 × 0.02% = 0.000026
で、150人になるようみみえないのですが・・・
その計算はどうやって行ったのですか?
9119 × 0.9% = 0.0153など、計算過程がよく分からないのですが…。
>質問ですさん
えっと、最初の9119人の0.9%って約82人かと。
例えば10000人の10%は1000人、1%は100人ですよね。
0.00153人というのは、、、
>kokikokiyaさん
毎時70シーベルトというのは下のリンクの番組中に出てきます、「表面線量毎時7000レントゲンの瓦礫を撤去」という部分があります。IAEA資料からの抜粋ではありません。
ちなみに甲状腺への10Gyというのは「等価線量」です、実効線量とか毎時の線量とは全く別物ですので、ぐぐって勉強してもらえば。
ただ、福島に住む私の親戚がそうであったのですが、食料入手が困難な状況にあった震災後まもなくの時期(すなわち、放射性ヨウ素が消滅しきっていない時期)に、自分達の畑の作物(親戚の家は、はもの野菜でした)を食べていた家庭は多かったのではないかと思われます。
そのことを考慮すると、行政が公式に発表している数値など、あくまで限定的なモデルケースであって、あまりあてにしてはいけないのではないかと思います。
こちらを拝見して最も優れた資料を提示くださっていると私は判断しましたので紹介させて頂きたく思います。
明らかな誤った情報ですね。
勉強してください。
今後も応援します。