＜岐阜女性強殺＞殺害後にＡＴＭへ？　不審者捜査続く

　岐阜県瑞浪市山田町の幼稚園教諭、松井洋子さん（４０）が殺害された強盗殺人事件で、松井さんは、勤め先の幼稚園を出て間もなく、不審な男が同市役所のＡＴＭ（現金自動受払機）で現金を引き出す前に殺害されたとみられることが１７日、捜査関係者への取材で分かった。事件は同日、血痕が残された松井さんの車が同市役所駐車場で見つかってから１週間が経過した。県警は不審者の洗い出しを続けている。

■足取り

　事件の各現場は、瑞浪市役所を中心に約３キロ圏内にある。松井さんは７日午後６時半ごろ、勤務先の幼稚園を出たあと、行方が分からなくなった。約１時間後、約２．７キロ離れた同市役所のＡＴＭで松井さんの銀行口座から計８５万円が引き出されているが、この時にはすでに殺害されていたという。

　松井さんの車が見つかったのは１０日、市役所駐車場だった。目撃情報から８日には駐車していたとみられる。同市土岐町の山中に７日夜に遺体を遺棄した後、目立ちやすい市の中心部まで車を戻したのはなぜか。県警は足取りを調べている。

■残る物証

　市役所駐車場に止められた松井さんの車は施錠されていたが、助手席の窓は全開だった。車内に多くの血痕も残されていた。カーナビの表面は壊されていたが、内部の位置情報などは残っていた。

　遺体近くで見つかった松井さんの携帯電話は、壊したり、通話やメールの履歴を消そうとしたりした跡はなく、電源が入ったまま電池切れになっていた。「犯人が（携帯電話に）関心を示した形跡がない」（捜査幹部）という。

　また、ＡＴＭの防犯カメラの映像の男は黒いニット帽をかぶり、マスクで顔を隠していた。映像から特定メーカーのものと分かる作業用手袋をしているが、上着には「Ｅ」の文字があしらわれているなど特徴があった。

■交友関係

　松井さんは幼稚園を後にする際、「約束がある」と話した。松井さんは未婚で、両親、兄と暮らしていた。系列の短大で講師を務めたこともあり、交友関係は広いが、大きなトラブルは確認されていない。【加藤沙波、梶原遊】

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