お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さん(37)が、扶養できるだけの高収入でありながら母親に生活保護を受給させていたと、週刊誌などがその疑惑を報じた。さらに、準一さんの複数の親族も受給していたことが分かったが、所属事務所では、不正はないと説明している。
この疑惑は、「女性セブン」が2012年4月に匿名で報じ、一部ネットニュースが実名で取り上げると、自民党の片山さつき、世耕弘成両参院議員がツイッターなどで取り上げる騒ぎにまでなった。
週刊誌が次々と報道
そして、5月16日には、女性セブンのほか、週刊文春・新潮も疑惑を報じることが分かり、所属事務所のよしもとクリエイティブ・エージェンシーが報道などについてコメントを出した。
週刊誌などによると、河本準一さんは、年収が3000~5000万円あるとみられるが、扶養義務のある母親に、毎月10~15万円の生活保護費を無名時代から約10年間受給させ続けていた。これが事実なら、1000万円規模の受給になる。準一さんは、母親を「おかん」としてテレビや著書などで紹介しており、仲が悪いといった扶養義務免除の対象にはならないという。
これに対し、吉本側は、準一さんの母親に不正受給の違法行為はないと反論した。
その理由として、様々な事情から準一さんが生活の援助をしないといけない親族が複数おり、収入も報じられているほど高額ではなく不安定で、親族全員に援助できる見通しが立たなかったことを挙げた。担当の福祉事務所と相談して受給していたが、現在は、受給していないと明かした。
報道についてはプライバシーを明かす重大な人権侵害だと非難し、片山氏らの批判についても非常に悲しいことだとして、人権に配慮した冷静な対応を求めている。
複数の親族も受給していた
その後、ニュースサイト「ビジネスジャーナル」が、片山さつき参院議員にインタビューし、河本準一さんの母親が2012年5月から生活保護費の受給を辞退したとの情報があることを明かした。片山氏は、「辞退したということは、受給に問題があったことを認めたと受け取れます」と指摘している。
この点について、よしもとクリエイティブ・エージェンシー側に聞くと、「個人情報やプライバシーになります」として、受給を止めた時期については話さなかった。止めた理由として、準一さんの収入がアップした、報道などをきっかけになった、などがないのかと聞いたが、「何とも言えない」とのことだった。
また、片山氏はインタビューで、準一さんの親族で生活保護を受けているのは、母親だけではないと指摘した。吉本側も、J-CASTニュースの取材に対し、複数の親族が生活保護を受けていることを認めた。そこには、扶養義務はない姻族のほか、義務のある血族も含まれているとしている。生活保護制度では、三親等内の血族に義務があることになっている。
ただ、吉本側は、準一さんが毎年、福祉事務所と話をしており、福祉事務所が収入の実態などを斟酌したうえで受給を認めてきたとした。そのうえで、「不正はありません」と強調している。
片山氏らは、準一さん本人の釈明を求めているが、吉本側は、プライバシー上答えられないことも多いとして、「その時期ではありません」とした。そして、「会社で本人から聞き取っており、ホームページで説明ができていると考えています」と言っている。