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ハンセン病の患者施設「重監房」再現へ
5月16日 5時23分

ハンセン病の患者施設「重監房」再現へ
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国の強制的な隔離政策によってハンセン病の患者が深刻な人権侵害に苦しんだ歴史を伝えようと、厚生労働省は、かつて群馬県の療養所で患者を処罰するために設けられた施設を再現し、公開することを決めました。

再現されるのは、群馬県草津町の国立ハンセン病療養所、栗生楽泉園に設けられた「重監房」と呼ばれる施設です。
ハンセン病を巡って、国は明治40年から法律に基づいて90年近く患者を強制的に療養所に隔離し、各地の療養所では秩序を乱したとされた患者が狭い部屋に監禁されるなど深刻な人権侵害が行われました。
中でも、栗生楽泉園の「重監房」は、特に反抗的とされた患者が全国から送られ、廃止される昭和22年までの9年間に22人が死亡しました。
厚生労働省は、こうした人権侵害の歴史を伝えようと、療養所の敷地内に重監房を再現して、公開することを決めました。
広さ5畳に満たない部屋や、逃走を防ぐための高さ4メートルの壁が当時のまま再現されるほか、冬場はマイナス20度にもなったという過酷な状況について当時を知る人の証言や資料映像などで紹介するということです。
厚生労働省は、来年度末までに、この資料館のオープンを目指すことにしています。

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