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海江田氏“伝言ゲームのよう”
5月17日 19時32分

海江田氏“伝言ゲームのよう”
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海江田元経済産業大臣は、国会の原発事故調査委員会に、国会議員として初めて参考人として出席し、事故直後の対応巡って、政府が緊急事態宣言を出すのが遅れたことを認めるとともに、「伝言ゲームをやっているような状況だった」と述べ、総理大臣官邸と東京電力などとの情報共有に問題があったという認識を示しました。

国会の原発事故調査委員会は、事故直後の政府首脳らの対応を検証することにしており、17日、海江田元経済産業大臣が、国会議員として初めて参考人として委員会に出席し、公開で質疑が行われました。
この中で委員が、政府が緊急事態宣言を出すのが遅かったのではないかとただしたのに対し、海江田氏は「ご指摘のとおりだ。『まずは対策本部をつくることが必要だ』と言ったら、どこに根拠となる法令があるのかとなり、探していて時間が経過した。菅前総理大臣の理解を得るのに時間がかかった」と述べました。
そして、海江田氏は「総理大臣官邸と、東京電力、現場の3つが、伝言ゲームをやっているような状況で、このままではいけないと思った。現場の情報共有が徹底的に不足していた」と述べ、総理大臣官邸と東京電力などとの情報共有に問題があったという認識を示しました。
さらに海江田氏は、格納容器の圧力を下げるベントが遅れたことについて「東京電力は、事故を小さく見せるために、ためらっているのかなと思った」と述べたほか、原子炉を冷やすための海水注入についても「東京電力が、廃炉をためらっているからだと感じた」と述べました。
また、海江田氏は「アメリカのスリーマイル島の原発事故では、水素爆発の危険をずっと議論していた。それなのに、水素爆発が起きてしまうまで水素爆発の危険性を感じておらず、結果的に大量に放射性物質を出してしまった。たいへん大きな反省材料だ」と述べました。
一方、現場からの作業員の撤退を巡って、東京電力が、総理大臣官邸に全員の撤退は打診していないとしていることについて「東京電力の清水社長からの電話で覚えているのは『第一発電所から第二発電所に退避』ということばがあった。『一部を』という話は一切なかったと記憶している。頭の中で『全員が』という認識をした」と述べました。
国会の原発事故調査委員会は、今月27日には、事故当時官房長官を務めていた枝野経済産業大臣を、また、今月末にも、菅・前総理大臣を、それぞれ参考人として招致して質疑を行うことにしています。

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