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フィリピンと中国、それぞれ南シナ海に禁漁令 にらみ合い解消へ布石か

  • 2012年05月17日 17:56 発信地:マニラ/フィリピン
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南シナ海のスカボロー礁(Scarborough Shoal、中国名:黄岩(Huangyan)島)近海へと向かうフィリピン漁船(2012年5月10日撮影)。(c)AFP/TED ALJIBE

【5月17日 AFP】フィリピンは16日、中国と領有権を争っている南シナ海のスカボロー礁(Scarborough Shoal、中国名:黄岩(Huangyan)島)近海域について、2か月間の禁漁措置を発表した。これに先だって中国も、同日から8月1日まで同海域を含めた南シナ海の広域を禁漁とすると発表しているが、フィリピン政府は中国側の禁漁措置は無効だと主張している。

 スカボロー礁近海では、前月10日に中国漁船を拿捕しようとしたフィリピン船舶を中国の監視船が妨害して以降、両国の船舶がにらみ合いを続けている。フィリピン当局によると現在、同海域には中国の監視船2隻と漁船10隻、フィリピン艦船2隻と漁船1隻がいる。

 フィリピン漁業水産資源局(Bureau of Fisheries and Aquatic ResourcesBFAR)は、禁漁措置は同海域で漁を行う漁船が多すぎるとの報告に基づくものだと説明した。

 一方の中国側も、水産資源の乱獲を禁漁の理由としているが、専門家らは両国の禁漁令について対面を保ちつつ問題海域から船舶を引き上げるためのものと分析している。

 禁漁措置の発表に先立ってフィリピンのベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)大統領は、中国の禁漁措置に従う義務はフィリピンにはなく、自国の規定にのみ従うと表明していた。

 フィリピン海軍の海図によれば、スカボロー礁はフィリピン・ルソン(Luzon)島から約230キロ沖合にあり、一方の中国本土からは約1200キロ離れている。フィリピン政府はスカボロー礁を自国の排他的経済水域(EEZ)内だと主張しているが、中国はスカボロー礁や他アジア諸国の近海を含む南シナ海の大部分の領有権を主張している。(c)AFP

【図解】南シナ海の領有権問題
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