発信箱:走るということ=落合博(論説室)
毎日新聞 2012年05月17日 00時16分
今年は生誕100周年。貧しい境遇から立ち上がり、スポーツに身を投じる中で苦難と栄光を味わい、その人生は今も国を超えて語り継がれる。正寅さんは昨年、墓参りをした際、「アボジ(父親)ほど幸せな男はいない」と話しかけた。歴史に翻弄(ほんろう)されながらも、できることはやり遂げたという意味だろう。子から父への最高の賛辞であり、「孫さん、いい息子さんを持ちましたね」と僕は思った。