沖縄県民 鳩山元首相「再評価」の声
【政治・経済】
返還40周年式典出席でも意外な人気
民主党の沖縄県連関係者がこう言う。
「鳩山さんが『県外移設』と言ってくれたことで、沖縄の基地問題が初めて日本全体の課題になった。諦めていた県民に希望が生まれたのです。そこは評価に値する。しかも、後任の菅さん、野田さんは沖縄のために全く動いてくれなかった。それどころか、露骨な対米従属に舵を切り、普天間問題は膠着(こうちやく)状態です。増税しか頭にない野田さんは、一度でも本気で沖縄に向き合ってくれたことがありますか?」
今回の訪沖で講演した鳩山は、「(気持ちは)今でも皆さんと同じ。最低でも県外(移設)という気持ちを果たさなければ、皆さん方の気持ちを十分に理解したとはいえない」と言い、県外移設を実現できなかったことを率直に詫びた。力量不足ではあったが、今も理念は持ち続けている。だから、沖縄県民に石を投げられたりはしない。
<自民や現閣僚の非難こそ「ちゃんちゃらおかしい」>
それに引き換え、野田政権の閣僚の態度ときたら、まるで他人事だ。
式典に出席した野田首相は「普天間飛行場の固定化は絶対あってはいけない」とか言っていたが、固定化回避に向けて何をしたのか。基地問題は米国と霞が関に丸投げ。本音は県内移設で決着させるつもりだろうが、県民の理解を得ようと動く気配すらない。
もっとヒドイのが岡田副総理だ。15日の会見で「『県外』と鳩山(元)首相が明言したことで、もともと難しい問題をさらに難しくした」とシタリ顔で論評したが、当時の外相は岡田である。当事者のクセにドロをかぶるのを嫌がり、最後まで知らん顔だった人物に普天間問題をアレコレ言う資格はない。
自民党もそうだが、鳩山を基地問題の“A級戦犯”に仕立て上げ、批判の矛先を集中させて、責任逃れをできると思ったら大間違いだ。