川崎社会保険病院:医師や看護師4割流出 民間売却決まり
毎日新聞 2012年05月17日 11時29分(最終更新 05月17日 11時48分)
旧社会保険庁改革の一環で民間売却が決まった川崎社会保険病院(川崎市川崎区、308床)で、先行き不安から医師や看護師の退職が相次ぎ、18日の一般競争入札を前にその数が約4割に達している。稼働中の公的医療機関が一般競争入札で民間譲渡されるのは今回が初めて。地域の中核病院としての機能維持が困難になっている上、売却後の在り方も不透明で、地域住民や患者に動揺が広がっている。
同病院は1948年開設。京浜工業地帯の労働者が多く住む臨海部にあり、訴訟になった大気汚染公害によるぜんそく患者の治療で知られた。地域住民の高齢化に伴い、現在はリハビリや訪問診療、看護など高齢者医療に軸足を置く。
ここを含め公的保険料で整備された全国63の社会保険病院と厚生年金病院は「保険料の無駄遣い」として、小泉純一郎政権下で民間売却や廃止の方針が決定。一方、民主党政権は地域医療への影響を考慮して公営維持に傾き、現在も61病院が存続するが、厚生労働省は昨年12月、川崎社会保険病院の売却を決めた。