先日、コネタで“電気のいらない自動ドア”をご紹介したことがあるが、今の世の中で「節電」は外せないキーワード。これからの我々が、ずっと付き合っていかなければならない問題だと思う。
そして、今回も電気不要のアイテムを取材しました! アイテック株式会社が4月2日より発売している『アーミン』は、“電気を使わないリモコン”。普通のリモコンはカパッと開けて乾電池を入れるスペースがあると思うのだが、このリモコンを開けてみると電池が入っていないことがわかる。
ならば、このリモコンのパワーの源は何なのか? これが、目からウロコなんです。どうやら『アーミン』は、指でボタンを押す力を利用して発電しているらしい。
「『環境発電』もしくは『エナジーハーベスト』というキーワードがあります。これは身近なところにある微小なエネルギーを電力に変える技術のことで、物理的な力、光、熱、振動、等がその微小エネルギーです。今回の『アーミン』は力を電力に変える電磁誘導を利用したものです」(同社・担当者)
『アーミン』内部には“押した力を電力に変えるモジュール”と“電力を無線で飛ばすモジュール”が内蔵されている。微小な電力で無線を飛ばす半導体技術と無線通信技術の進歩の組み合わせによって、“電気を使わないリモコン”の商品化に成功したのだ。
ちなみに『アーミン』が操作できる距離は、およそ30メートル。かなりの長距離だと思うのだが、この性能を踏まえて考えると想定される用途は幅広い。
「医療介護、防犯セキュリティ、人・車両の出入り・動線管理などを用途と考えています」(担当者)
具体的な活用例を、以下に列挙してみた。
(1)医療介護
・患者がベッドから降りてマットを踏んだことを検知
・患者が介護施設から出ようと玄関のマットを踏んだことを検知(もしくはドアを開けたことを検知)
・患者がトイレで急に気分が悪くなったら、“アーミン・コール”を押す
(2)防犯セキュリティ
・留守中の家の扉・窓を開けた、マットを踏んだことを検知
・工場の危険区画、禁止領域に入ってマットを踏んだことを検知
(3)資産・車両管理
・駐車場の出入り口に車が来たことをマットで検知
・高額な医療機器にタグを貼り付け、倉庫内のどこにあるかを探す
・小学生に持たせ、学校の校門に入った・出た、で保護者にメールを飛ばす
などなど、使い方は様々だ。…