スマートフォン:情報漏れに注意 架空請求の相談急増 知らずにウイルスダウンロード、電話番号など流出
毎日新聞 2012年05月17日 東京朝刊
位置を測定してくれるGPS(全地球測位システム)やカメラなど、便利な機能が盛りだくさんのスマートフォン(スマホ)。しかし、悪質業者が「便利機能」を逆手に取ったり、利用者が使い方を誤ったりして個人情報が漏れるケースも出ている。個人情報を守りながら便利な機能を利用するため、悪用の手口や使い方を知っておこう。【大迫麻記子】
アダルトサイトにアクセスしたら、しばらくして知らない業者から突然スマホに電話があり「サイトの視聴料金9万9800円を支払ってください」と要求された。なぜ、電話番号を知られてしまったのか−−。東京都消費生活総合センターには、こんな相談が急増している。
スマホの悪用による架空請求は、悪質業者に個人情報が伝わってしまう点で、パソコンでの被害よりも悪質性が高いとも言われる。同センターによると、パソコンを通じた架空請求の相談は、04年ごろから増え始めた。
ただ、情報処理推進機構(IPA)によると、リンクを一度クリックしただけで高額の使用料などを請求する「ワンクリック詐欺」の業者が1月に不正指令電磁的記録供用容疑で京都府警に逮捕されたのを機に、トラブルは減少しつつある。
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一方、急増しているのがスマホによるトラブルだ。同センターによると、スマホの架空請求相談件数は、10年度上半期は7件、下半期は10件だったが、11年度上半期は139件と、一気に10倍以上に跳ね上がった。