ここから本文エリア

現在位置:朝日新聞デジタルマイタウン富山> 記事

北陸線 JR車両 格安購入へ

2012年05月16日

初期投資50億円減に

 北陸新幹線開業でJRから経営分離される並行在来線(北陸線)について、石井隆一知事は15日、JR西日本本社(大阪市)を訪れ、真鍋精志社長と協議した。必要な車両22編成の3分の2程度は、JR西から新型車両を低価格で買い取りできる見通しになった。256億〜288億円と見込む初期投資が、約50億円減るという。

 石井知事がJR西社長と会談するのは昨秋に続いて2回目。非公開で、約30分話し合った。

 県内区間の経営を引き継ぐ第三セクターは現行の運賃水準では赤字が見込まれている。県は、負担を軽くするために鉄道資産を安く買い取れるようJR西に求めている。今回は、製造に時間がかかる車両について、早めに要望した。

 新型車両を新造すると1編成4・6億円かかると見込んでいたが、JR西から中古を買い取ると、価格は3分の1程度になるという。新型車両は、県内区間で3月から運行を始めたが、運行本数は約14%にとどまり、それ以外は製造から約50年経った車両が走っている。また、県によると、城端線から並行在来線への乗り入れ継続も「前向きに検討する」と返答があったという。現在は毎朝2本、高岡駅経由で富山駅まで運行されている。

 終了後、石井知事は報道陣に「運賃を極端に上げたくないので、これからも精力的に交渉していきたい」と述べた。JR西は「ご要請も踏まえつつ、今後調整を図ってまいります」とのコメントを出した。

 石井知事は続いて、兵庫県庁(神戸市)で関西広域連合長を務める井戸敏三知事と会談。両知事は、北陸新幹線の金沢―敦賀間の早期着工へ協力していくことを確認。フル規格の整備を求める敦賀以西のルートについても、井戸知事は、関西広域連合で今年度中に結論を出す意向を示した。

 北陸新幹線は2014年度末に金沢までが開業予定。敦賀までは25年度末に通じる予定で、国土交通省は同新幹線にフリーゲージトレインをとり入れる方針を固めている。(三島庸孝)

PR情報
朝日新聞購読のご案内

ここから広告です

広告終わり

マイタウン地域情報

ここから広告です

広告終わり