(2012年5月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
世界第2位の経済大国の舵(かじ)取り役に来年就任する人物は、2007年に中国の国内総生産(GDP)統計に対する疑念をうっかり漏らした。当時の米国大使に向かって中国の公式GDP統計は「人為的」で当てにならないと語ったのは李克強氏だ。彼は笑みを浮かべ、自分はこの統計を「あくまで参考値」と見なしているとつけ加えた。
■電力や貨物、融資に急ブレーキ
来年3月に正式に温家宝首相の後を継ぐ見通しの李氏は、経済成長を評価する際にGDPではなく電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資の実行という3つの統計を重視すると述べた。
李氏の評価が正しければ、中国経済はGDP統計がこれまで示唆してきたよりもかなり厳しい苦境に陥っている。
電力や鉄道貨物、銀行融資をはじめ、ここ数日で発表された注目度の低い統計は、いずれも経済活動の急激な落ち込みを示しており、政策立案者たちに不意打ちを食らわせたようだ。
■回復見通しは「希望が理性に勝った結果」
中国のGDP統計は3カ月に1度しか公表されず、今年の第1四半期は過去1年間続いてきた緩やかな減速傾向の継続を示していた。第1四半期の値は前年同期比8.1%増で昨年第4四半期の8.9%増から明らかに減速したが、躍進する中国経済の「ハードランディング」と見なされるほどではない。
比較的力強い結果を受け、大方のアナリストと政府当局者は、経済成長は第1四半期に底入れし、4月には回復し始めると断言した。
「セルサイドのアナリストや中国政府高官は、これが小さな落ち込みにすぎず、経済は勢いよく回復するという物語を信じたがった」。北京にある清華大学のパトリック・チョバネク教授(経営学)はこう指摘する。「だが、こうした予想は主に希望が理性に勝った結果だ」
4月の電力消費量はまだ発表されていないが、発電量は先月、前年同月比で0.7%増えただけだった。これに対し3月は7.2%伸びており、2011年4月の伸び率は前年比11.7%に上っていた。
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