「あー、この人、いろいろ間違ったことやってるなー」
と思っても、
十分な人間関係ができている場合以外は、
軽々しくアドバイスしない方がいいことが多い。
その理由は以下の通り:
(1)そもそも「その人が間違ったことやってる」というのは
自分の思いこみにすぎない可能性がある。
間違っていないのに間違っていると指摘するのは、
大変失礼なので、そのリスクは避けるべきだ。
(2)アドバイスのふりしてさんざん見下すようなことを言って
優越感を味わおうとする人がたくさんおり、
そういう人からいろいろ言われて嫌な思いをしたことがある人も多い。
そういう人に親切心からアドバイスをしても、
「また見下して優越感を味わおうとしているのだろう」
と解釈してその人は嫌な思いをして、かつ、アドバイスは受け付けず、
さらに口論になったりと踏んだり蹴ったりなことになることがある。
(3)間違ったことをやっている人間は、自分が間違ったことをやっているという
自覚がないうえに、それを認めるのを嫌がることが多い。
そもそも、たいていの人間は、自分の間違いを認めるのが、嫌な生き物である。
そういう人にアドバイスをしても、
単に貶されたとしか思わないので、アドバイスは届かないし、
それどころかトラブルに発展することがある。
(4)間違ったことをやっている人間に、間違ったことをやっていることを
理解させるには、簡単な言葉ではすまないことが多い。
十分な時間をかけて懇切丁寧に説明しなければならないのだけど、
アドバイスをする方は、たいていはそこまでの手間暇をかける時間も覚悟もないため、
中途半端なことだけ言って、結局、言われた側は理解できなかったりする。
そうすると、悪気はなくても、結果的に、
まるで嫌がらせのために間違いを指摘しているような形になってしまう。
もちろん、上記のようなの障害はあっても、あえてアドバイスすべき場合というのはある。
それは、「上司-部下」「親子」「親友」など、十分な手間暇をかけてでも、
アドバイスすべき立場や人間関係にある場合。
それ以外は、アドバイスは極力慎重にやった方がいいかと思われる。