長期取り組み事案
MYさん(40台男性)日本通運で配送の仕事に従事していた。契約の形式としては、日通の二重下請けの
個人事業主。長時間労働の為に病気になり2008年7月退職。その後、労基署で労働者性を認定させ、日通
に対して未払い残業代の支払を求めて裁判。2010年7月に金銭和解。一方、労基署に対して労災認定の請
求を行なうが不支給決定。審査請求、再審査請求も棄却。不支給決定の取り消しを求め2月に大阪地裁に提
訴。6月26日第二回裁判。
IGさん(50代女性)、OSさん(20代女性)、SYさん(50代女性) 月の輪学院という障害児介護
施設勤務。残業代未払いなど労基法違反の就労状態が慢性化していた。2011年4月未払い残業代の支払い
を求めて労基署に申告。その結果、学院は全職員に対して合計2300万円の未払い賃金を支払うことにな
った。なお、労基署への申告に関わって学院側が態度を硬化させ、団交がスムーズに進まなくなったこと
から、2011年10月労働委員会に救済申立て。その後、学院側も態度を改善してきたことから、2012年2月
労働委員会は取り下げた。今後は、学院側が提案しているパート職員用の給与規定をたたき台にしなが
ら、パート職員の待遇改善などを求めていくつもり。5月連休明けに再度団交予定。
TKさん(40代女性) 郵便事業㈱において契約社員(ユーメイト)として17年ほど勤務。契約社員として
は最高ランクの時給を受け取ってきたが、1回の遅刻を理由に2010年10月から6ヶ月間ランクを下げられ
た。また、会社が職務の評価シートを変更するため、勤務内容が同じであるにもかかわらず、大幅にラン
クを下げられるおそれがあった。そこで、本社の権限ある人物の出席を求めて団交申入れるが、会社側は
拒否。不誠実団交で2011年3月25日労働委員会の救済申し立て。2012年1月20日最終陳述書の提出。現在
命令待ち。他方、2011年6月22日、1回の遅刻による賃金カットなどについて大阪地裁へ提訴し、係争中。
並行して、宝塚支店及び近畿支社と団交を行っている。
KMさん(30代女性) 郵便事業㈱に契約社員(ユーメイト)として15年ほど勤務。元々窓口後方の業務
に就きリーダーをしていたが、本人の口調がきついため新人が辞めるなどと言われ、コールセンターに配
置転換。1年にわたり時給も下げられた。また、勤務日数も一方的に減らされた。2010年4月から宝塚支店
と団交を重ねたが進展せず。不誠実団交や不利益取り扱いで労働委員会闘争も行った。その後、近畿支社
と数回団交を行ったが進展せず。そこで、一旦宝塚支店に差し戻して団交を継続する予定。
OBさん(50代男性)
株式会社GHP。ホテルの清掃業務に従事。残業代未払いや労働環境の改善な
どを求めて、2011年1月組合に加入。未払い賃金については、本人だけでなくホテルの従業員全員に対し
て支払わせた。また、従来有給休暇の権利も知らされず取れない状態であったので、とりあえず周知させ
た。組合員はまだ一人だが、OBさんがホームページを立ち上げるなどして㈱GHP系列の他のホテル従
業員への呼びかけも進めている。現在、就業規則に規定されている盆・正月手当の支給や、人事考課表の
見直し、スタッフ会費(福利厚生費として賃金から天引き)の廃止、パート社員の採用時時給のアップと
定期昇給の実現等を求めて団交を行っている。5月連休明けに再度団体交渉を申し入れる予定。
OKさん(50代男性) ㈱ディー・エム・シーに雇用され、徳島県テレビ受信者支援センター相談会事務
局(通称デジタルサポートセンター)にて勤務。上司らのパワハラに堪えつつ働いてきたが2011年3月末
で雇止めを通告され、組合に相談に。2011年4月8日団交。その後、会社側弁護士と事務折衝を継続してき
たが、会社側が加害者に文書で謝罪させることを拒否したため交渉決裂。その後、当該は会社前で抗議行
動を展開。さらに、本人訴訟という形で徳島地裁に提訴。証人尋問も終わり、6月6日判決予定。
Sさん、Tさん、Kさん、Yさん。関西自動車工業㈱。正社員。会長や社長の横柄な態度や労働条件の一
方的変更、残業代の未払いなどの問題について、職場環境を改善していきたいとの希望で組合加入。分会
結成も視野に入れている。12月1日第一回目の団交。労働時間の適正な管理などについて協議した。会社
側も改善策を検討すると約束。しかし、会社は組合の要求を捻じ曲げる形で管理強化を行った。また、組
合員の一人に対し業務上のミス等を理由に叱責を繰り返した。そこで、2011年末、労働委員会に対して、
支配介入と不利益取り扱いについて救済申立。一方毎日のように叱責を受けていた組合員が2011年末、体
調を崩して休職。その後、組合員で話し合った結果、休職した組合員については確かに業務上のミスも多
いことから、性根を据えて頑張るということで、2月6日復職を果たした。2月8日、第二回目団交。①業
務管理について現場の意見を反映させるため毎月ミーティングを開くこと、②KDさんの休職に関して、
会社としても指導方法を改善すること、③有給休暇の申請について、「私用」と記載すれば認めるように
すること等を要求。会社も①と③については受け入れると約束した。ただ、会社の姿勢があまり変わって
おらず、サービス残業をさせてきたことへの反省や、組合員の一人を休職にまで追いやったことへの反省
が見られないため、労災申請や未払い残業代について労基署に申告することも検討中。5月8日の団交で
は、KDさんの休職にかかる会社の責任について再度協議したが、会社は相変わらず非を認めようとしなか
った。その他の協議事項についても、会社側には誠実に話し合う姿勢は見られなかった。団体交渉だけで
は進展が困難であることから、抗議行動等を含め検討中。
現在取り組み事案
HSさん(50代女性)三菱UFJニコス。三菱東京UFJ銀行にてカード契約の営業に従事している。
6ヶ月契約の契約社員だが、この度の査定により賃金が月額2万数千円減額されることになった。査定制度
そのものに不公平があることから、査定の見直しを求めて2011年12月と今年1月に団交を行うが、会社は
査定の見直しはしないと回答。2月9日の団交でも平行線となったことから、2月27日不誠実団交で不当労
働行為救済申し立て。5月21日第2回調査。今後和解の可能性も睨みながら労働委員会を継続していく。
NGさん(30代女性)T社に正社員として勤務。2010年6月に社長が交代した頃から、仕事外しが始ま
る。また、些細なミスについて、厳しく叱責されるようになる。2011年夏頃、「ここでは将来はない」
等と退職勧奨を受けた。その後、秋頃から当該を職場の中で孤立させるような動きが始まった。今年に入
って、数回にわたり呼び出され、些細なミスをあげつらい、またコミュニケーション能力がない等との理
由で、退職届の提出を強要された。NGさんは1月下旬から休職。2月22日団交を開いたところ、会社はN
Gさんに対して退職を強要したことはないとしつつ、NGさんの仕事振り等について非難を繰り返した。
3月22日に第二回目の団交を行うが、会社の姿勢は変わらず。当該も紛争の拡大を希望していないことか
ら、当該から親会社のコンプライアンス室に善処を求める文書を送付。引き続き、組合からも親会社の代
表取締役に善処を求める文書を送付した。今後、組合から会社に対して、①退職強要を行ったことへの謝
罪、②就労環境の改善要求等を文書で要求した上、団交を申し入れるつもり。
NKさん(20代女性)H病院にてソーシャルワーカーとして勤務。昼の休憩が事実上取れないことや、残
業がきちんと計算されないことから、数十万円ほどの未払い賃金があると思われる。また、病院がS医師
のパワハラ・セクハラを放置している現状がある。当該は、パワハラ・セクハラについての改善と未払い
賃金の支払いを求めて昨年から組合に相談に来ていたが、ようやく交渉によって改善を求めていく意思を
固めた。3月8日に第一回目の団交。そこで会社側弁護士は居丈高な態度をとり、セクハラについてもNK
さんの方に問題があったかのように強弁した。話し合いでは解決しそうにないので、未払い残業代につい
て3月26日労基署に申告。一方、NKさんはその団体交渉でショックを受け体調を崩してしまい3月中旬か
ら休職。これに対し、病院はNKさんが以前に退職したいと申し出ていたとして3月末で合意退職になった
一方的に通告してきた。組合ではこれを組合に加入し団体交渉を行ったことによる解雇と認識し、4月6日
労働委員会へ救済申し立て。第一回調査は5月16日予定。今後、弁護士に対する懲戒請求も考えている。一
方、4月19日付けで第二回目の団交申し入れを行ったが、H病院からは回答期限の延期を求める書面が届い
たのみで、その後期限になっても回答はない。明白な団交拒否であるので、別途労働委員会に救済申し立
てを行う予定である。
RGさん(40代女性)派遣社員。派遣元:マンパワージャパン㈱、派遣先:公益財団法人TS。7年以上勤
続していたが、今年3月末での雇止めを通告された。契約上は政令指定業務(5号)での派遣であったが、
実際には一般事務等の業務も相当な比重を占めていた。業務偽装についての労働局の監督が厳しくなって
きたため、派遣先との申し合わせの上で業務を偽装。意図的な業務偽装、かつ派遣受入期間制限違反。3月
23日第2回団交。現在と同等程度の条件での新たな派遣先の紹介が見込めないため、生活保障としての解決
金の支払いを要求。要求基準は、明らかに違法派遣となって以降、派遣会社が得た利益相当分。しかし、
4月4日会社からゼロ回答が届いた。4月18日と4月25日に派遣会社前にて抗議のビラまき。5月11日に再度
団交予定。なお、団交で会社の対応が変わらなければ、抗議行動を継続するつもり。
HRさん(50代男性)松下ハウス㈱。会社の主な業務は住宅リフォーム。昨年5月以降、当組合は同じ会社
と別の3人の社員(全員退職後)の未払い賃金の問題で交渉し、今年2月解決した。会社は元々数人の社員
を雇用して業務を行っていたが、組合と争議になったことから、今年に入って営業社員を残してすべて委
託によって業務を回すように変更してきた。そして、会社は唯一残った現場社員であるHRさんに様々な
嫌がらせを行い、退職せざるを得なくなるように追い込んでいたようである。そのためHRさんは組合に
加入。3月13日、組合から①未払い残業代の支払い、②雇用保険・社会保険加入等を協議事項とする団交申
入れをしたところ、会社はHRさんに対して自宅待機を命じてきた。そこで、組合は3月21日、労働委員会
に救済申立て。その後、4月10日に第一回目の団交を行った。会社側弁護士は、①未払い賃金については会
社として計算して支払う、②HRさんの営業職への転換、③営業職への転換ができないときには、一定の
補償金の支払いを前提とした円満退職の3点を提案。組合からは、3点の提案について具体的内容を提示す
るよう要求。現在会社からの具体的提案を待っている状態。
STさん(40代男性)㈱ヒューマンアイズ。派遣会社の正社員。2012年2月27日に入社したが、同期で入
社した社員が会社の一方的な都合で突然解雇されたり、残業代が一切支払われなかったり、不適正な派遣
が横行している中で派遣元責任者として登録されそうになったりしたことから、3月15日に退職届を出し
た。その後組合加入。当該の退職にかかる会社の責任を問うことと、未払い残業代の支払いを求めて、3月
17日団交申し入れ。4月10日第1回団交。その後、組合から会社に対し、①未払い残業代の支払い、②ST
さんの退職にかかる会社の責任を明らかにすること、の2点を求める書面を送付。このうち、未払い残業代
については請求どおりに支払われたので解決。しかし、STさんの退職については、会社は一切責任を認
めず、資料提供も拒否した。そのため、4月26日、労働委員会に不当労働行為救済申し立て。その上で、現
在第二回目の団交申し入れを行っており、回答待ち。会社の対応次第では、労働局への通報等、戦線を拡
大していく予定。
YDさん(30代女性)㈱ナビス。会社は滋賀・京都・大阪でカラオケ店を数店舗経営している。当該はア
ルバイト。勤続3年半ほど。4月2日、会社から、①即日自己都合で退職して、1か月分の賃金相当の補償金
を受け取るのか、②減給の上1ヶ月働き、雇止めで退職するのか、どちらか選択するよう迫られた。理由は
同僚との不和や、掃除が行き届いていない等の些細なもの。組合から団交を申し入れたところ、会社は解
雇通告については口をつぐんで、別店舗への配置転換等を指示してきた。しかし、契約書には勤務地が明
記されていることから、組合から配置転換には応じる意思がないと通知。また、当該はこれまで有給休暇
があることを教えられておらず、一度も使ったことがないというので、現在は有給休暇をまとめて取得。
4月17日団交。会社の対応は極めて不誠実であり、解雇通告した事実も認めず。なお、退職強要後当該は精
神的に相当不安定になっていたことから、有給消化後は医師の診断書を提出の上休職に切り替えた。その
後、会社は、当該との契約が5月4日で終了するとし、それまでに休職中の当該が本社に直接出向き新たな
契約書を交わさない限り、雇止めにすると通告してきた。組合からは、当該が病気休職のため本社に出向
くことはできないので契約書を郵送するよう書面で要求。現状は、その状態のままとまっている。今後、
当該の回復を待って、退職強要への謝罪、雇用契約の確認、その他を要求していくつもり。ただし、第一
回目の団交における会社の態度を見る限り、穏便な解決は困難であると思われるので、店舗前での抗議行
動などを織り交ぜていくことを検討中。
KIさん(20代女性)、YGさん(20代女性)2人とも「漁師小屋大漁」にて、アルバイトとして勤務し
ていた(すでに退職)。タウンワークの求人では時給950円、研修中(100時間まで)はマイナス100円と
記載されていたが、実際には時給800円で働かされていた。その他、着替え時間が労働時間として認めら
れていない、10分前にタイムカードを打刻していなければ罰金1000円天引き、残業手当・深夜手当の未払
い等の問題があり、組合に加入。組合から組合加入通知を送付すると同時に、未払い賃金の支払いを求め
る書面を送付。4月20日までに支払いがなかったため、4月21日店舗に対して団交申入れ行動を行ったとこ
ろ、部長と名乗るやくざ風の人間が出てきてけんか腰で対応。警察も呼んできた。その場では、学生ユニ
オンの中心の西村氏が対応。現在、当該の意志を再確認の上、団交の日程を調整中。
Mさん(男性)寺浦会計事務所。昨年の3月にバイトとして入社し、昨年の11月21日から2012年6月31日
までの契約を結ぶ。面接時の仕事の内容説明では会計事務が主であり、行政書士の仕事も入ってくると聞
いたが、実際の仕事は不動産管理の仕事で、説明とは違う仕事ばかりやらされる。入社当時から嫌な仕事
を押し付けられる上に、社長のいじめにも合い相談に来た。5月2日団交での組合要求に対して弁護士より
金銭解答の返事があるが、当該の希望額とはかけ離れているため、更なる上積みが必要であることを伝え
る。現在回答待ち。
解決事案
今月はなし。
過去の事案(ただいま工事中です)(PDF/HTM)