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政治
安全保障読本(55)米国から提唱する「日本の核武装」
有力政治評論家クラウトハマー氏による米ワシントン・ポスト紙などのコラムはその典型だ。氏は「日本が唯一の核兵器被爆国として過去、自国の核武装に強く抵抗する理由は明白だったが、常軌を逸した隣国が核兵器保有を公式宣言するに至った今、再考が必要になった」と言明。
「国際社会の模範的一員というだけでなく、米国にとり英国に次ぐ最も重要で最も信頼できる同盟国となった」と指摘しつつ、「主要国は全て核保有国になったのに、日本は真の異端」とまで踏み込んだ。
論旨は、シャボット議員同様「日本の核カード」による中朝への揺さぶりではあるが、日本への“ある種の信頼感”は少なからず向上していることが、その筆致から感じられる。
同じ頃、ブッシュ前大統領のスピーチライターだったフラム氏も米ニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で、日本にNPT(核拡散防止条約)破棄と核抑止力構築を奨励せよと、驚くべき提案をしている。
米国の微妙な変化すら分析せず、「唯一の核兵器被爆国」「非核三原則の堅持」の連呼こそ核抑止を実現する“護符”だと信じて疑わない、鳩山氏に象徴されるこの種の「無邪気な信仰心」が怖い。
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