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“電源喪失”を認識も対策を検討せず5月16日 5時23分
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原発事故が起きる5年前、国や東京電力が敷地を超えて津波に襲われると、建物の中に水が入り、すべての電源が失われると評価しながら対策を検討していなかったことが分かりました。
東京電力は、「当時、今回のような巨大津波に襲われるとは考えていなかった」としていますが、結果的に津波対策を見直す機会を逃したともいえ、詳しいいきさつの解明が求められます。
これは15日、東京電力が記者会見の中で明らかにしました。
それによりますと、スマトラ島沖の大津波から2年後の平成18年に、国の原子力安全・保安院や電力会社などが参加した勉強会で、福島第一原発については14メートルの津波に襲われると扉や搬入口などの建物の開いている部分から海水が入り、「電源設備が機能を失う可能性がある」と評価されたということです。
東京電力はその後、保安院から指示があった原子炉の熱を取り除くための海の近くにあるポンプを防水にするなどの対策を示しましたが、建物の中に水が流れ込むのを防ぐ対策は、検討しなかったということです。
これについて東京電力は、「当時は今回のような、実際に堤防を越える10メートルもの津波が襲ってくるという確かな評価がなく、対策の検討までされなかった」としています。
福島第一原発の津波対策を巡っては、事故の3年前にも10メートル前後の大津波が襲う可能性を示す試算がありながら、十分な対策を取っていなかったことが明らかになっています。
結果的に津波対策を見直す複数の機会を逃したとも言え、詳しいいきさつの解明が求められます。
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