大飯原発３、４号機の再稼働問題で、滋賀県の嘉田由紀子知事は１５日、「遅くとも５月いっぱいに県としての見解を示したい」と述べた。一方、同県などへの政府のこれまでの説明について、「フル回答の１、２割程度」と述べ、一層の対応を求めた。

　同日あった定例記者会見で、嘉田知事は大飯再稼働を巡って山田啓二京都府知事と示した７項目の共同提言について、「需給検証委員会（の設置）以外はまともに答えてもらっていない」とし、県内市町や県議会の意見を踏まえ、再稼働に対する県の見解を今月中に出す方針を明らかにした。

　嘉田知事は１４日にも報道陣に「国からの働きかけがほとんどない」と政府の姿勢に不満を述べており、中立性の確保や廃炉計画の提示などを求めた７項目の提言に対する見通しが示されない限り、再稼働への慎重姿勢は変えないとみられる。【姜弘修】