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裁判員制度3年 判決に変化が
5月15日 4時22分

裁判員制度3年 判決に変化が
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裁判員制度が始まって今月21日で3年になります。
これまでに3600人を超える被告に判決が言い渡されましたが、覚醒剤の密輸事件で無罪になる割合が大幅に増えたほか、性犯罪の刑が重くなるなど、市民が参加したことで判決の傾向に変化が現れていることが分かりました。

裁判員制度は平成21年5月21日に始まり、ことし3月末までに全国で3600人を超える被告に判決が言い渡されました。
最高裁判所が判決の変化について調べたところ、覚醒剤の密輸事件の裁判員裁判では2.1%に当たる7人に無罪が言い渡され、それ以前の裁判官だけの裁判の0.6%に比べ、無罪の割合が大幅に増加していることが分かりました。一方、婦女暴行事件は、刑の重さを2年単位で分けて判決の分布を調べたところ、それまでの裁判官だけの裁判では懲役3年から懲役5年の間が最も多くなりましたが、裁判員裁判では、懲役5年から懲役7年の間が最も多くなり、刑が重くなる傾向が顕著に現れています。
こうした変化について、裁判員制度の政府の検討会のメンバーだった國學院大學法科大学院の四宮啓教授は「いずれの変化も市民の感覚が反映されたものとしてプラスに評価すべきで、制度の導入で期待されたことが現れているのではないか」と話しています。

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