人類の欲求を満たすには地球がもう1つ必要-WWFが警鐘
5月15日(ブルームバーグ):人類がこのペースで地球の資源を使い続けると穀物や森林を育てるためにもう1つの地球が必要になるとの見方をWWFインターナショナルが示した。
WWFが隔年に発表するリポートによると、2008年までに、生産に使用できる182億ヘクタールの土地を必要とした。実際に使用が可能だったのは120億ヘクタール。約55%は二酸化炭素ガスを吸収するための森林に必要だった。人類が年間消費する天然資源を地球が再生するには1年半かかるという。
WWFインターナショナルのジム・リープ事務局長はリポートの中で「われわれは別の惑星が自由に使えるようなつもりで生活している。地球が供給可能な資源より50%多く使用している。現状を変えなければペースは非常に速くなるだろう。30年までには惑星が2つあっても足りないかもしれない」と述べた。
同リポートは無駄を省き食料、エネルギー、水をもっと先まで長く使えるように消費するよう求めている。来月リオデジャネイロで、貧困を撲滅しつつ環境悪化に歯止めをかける方策を議論する国連の会議が開かれる。
リポートによれば、最新のデータに基づくと、08年に消費された資源を生産するには、1人当たり平均2.7グローバル・ヘクタールが必要とされている。グローバル・ヘクタールは生物学的な生産力を持つ土地をヘクタールで表す。地球のバイオキャパシティー(生態系が供給できる量)は1人当たり1.8ヘクタール。国連は昨年10月、地球の人口が70億人を突破したと発表した。
原題:Another Earth Needed to Meet Human Demands for NaturalResources(抜粋)
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更新日時: 2012/05/15 11:53 JST