大韓サッカー協会は当初、大韓体育会にラドンチッチ(モンテネグロ国籍)=水原サムスン=とエニンヨ(ブラジル国籍)=全北現代=の特別帰化(韓国で特別な功績のあった者に認められる帰化)推薦を要請していた。大韓体育会は7日、法制賞罰委員会を開き「ラドンチッチの場合、韓国語が流ちょうな上、該当ポジション(最前線のFW)に韓国人選手が足りないという点を考慮し、(韓国系ではない)純粋な外国人として初めて特別帰化推薦を決めた」と述べた。しかし、エニンヨは推薦の対象から外れた。
しかし、その翌日の8日午前、趙重衍(チョ・ジュンヨン)大韓サッカー協会会長が大韓体育会にラドンチッチの帰化申請を撤回するよう電話で伝えるという、予想外の事態が起きた。2007年にJリーグにレンタル移籍でプレーしたラドンチッチは「18歳以降に継続して最低5年以上、該当国でプレーしなければならない」という国際サッカー連盟(FIFA)の規定を満たしておらず、今年は韓国代表としてプレーできないことを協会側が今になって把握したというわけだ。一方、エニンヨの帰化申請に関して、大韓サッカー協会は「他機関の推薦を受けてでもエニンヨの特別帰化を申請する」としたが、担当省庁である法務部(省に相当)は、大韓体育会の推薦を受けて申請するよう勧告したという。このためエニンヨの帰化問題をめぐり、大韓サッカー協会と、その上級機関である大韓体育会が対立するという様相を呈してきた。金鋳城(キム・ジュソン)大韓サッカー協会事務総長は「韓国系かどうかという問題は理由にならないと思う。選手に対する技術的な評価は監督が下すもので、大韓体育会がこれを問題視するのは不自然だ。このような問題が取りざたされるなら一般帰化をさせるはず。わざわざ特別帰化を申請する必要はない」と指摘した。
これに対し、崔宗俊(チェ・ジョンジュン)大韓体育会事務総長は「大韓サッカー協会が述べたように『エニンヨが韓国系ではないから』などの理由で帰化要請対象者から除外したわけではない」と再び反論した。その上で「大韓サッカー協会が今週、再審議を要請するなら、今回の件の緊急性を考慮し、来週中に最終的な決定を通告することも可能だ」と述べた。