東京電力の社外取締役に元JFEホールディングス社長の数土(すど)文夫NHK経営委員長が就く人事について、枝野幸男経済産業相は15日の閣議後会見で、「放送法では委員長の兼職は禁止されておらず、委員会は番組内容に意見を言ってはいけない。報道の自由とは完全に切り離されている」と述べ、問題はないとの考えを示した。
公共放送の経営トップが取材対象の経営にかかわることには批判も出ていた。枝野氏は数土氏の選任については、東電の新会長になる原子力損害賠償支援機構の下河辺和彦運営委員長に一任していたと説明した。
NHKを所管する川端達夫総務相も同日の閣議後会見で、「制度上、非常勤の委員は兼職を禁止されておらず、問題があるわけではない」としたうえで、「放送法で委員会は放送番組の編集に干渉する行為はできないと決められている。法令を順守して職務をしていただきたい」と述べ、枝野氏と同様に問題はないとの認識を示した。