新内閣の顔ぶれは明らかにされていないが、どういった課題を解決せねばならないかは明らかである。こうした課題は最初の大統領令に明記されており、大統領選でプーチン氏が公約として掲げたこととほぼ一致する。なかでも最も画期的なのは長期的経済政策で、2020年までに生産力の高い2500万人分の雇用を創設し、近代化するということ、2018年までに労働生産性を1.5倍に拡大し、GDPにおけるハイテク、知識集約型の分野の割合を1.3倍に増やすことという課題だろう。そして大統領は2018年までに世界銀行の事業活動のランキングでロシアが現在の120位から20位まで地位を押し上げることを掲げた。
基礎的経済目標を知ったうえで観測筋は、政府が課題をこなすことができるか、大統領自身がこれを達成できるかを判断することになる。そのほかにも役人らは最終的にかならず掲げられた指標を達成できるよう作業を行わねばならない。
簡単にできるものとそうでないものがあることは周知の上だ。たとえばGDPのうちハイテク、知識集約型部門のしめる割合を1.3倍にするということはそんなに大変なことではない。というのも現在の段階でこの割合はとても小さく、ある評価ではそれは1%を少し上回るほどしかないからだ。これよりもずっと大変なのが労働生産力を1.5倍に拡大することだろう。専門家の見通しではこの指標を上げるにはロシア経済は7%-7.5%の成長を記録せねばならない。ところが年間の経済成長率は今のところ4%にとどまっている。
しかしながら最も大規模で難しい課題は世界銀行の事業活動のランキングでロシアが20位まで地位を押し上げることだ。このランキングで上位につけるためには 裁判所の模範的な独立性、所有権を完全に守ること、政権の行動が透明性の高いこと、報道、言論の本当の自由などたくさんの要素が必要となる。事業行動の条件でロシアが首位に立つことで急速な経済発展のための条件が作られ、これが労働生産性の向上、国民の給与の向上につながっていくことになる。
これら全てを成し遂げられるかどうかは、今のところなんともいえない。大統領令には達成のための手段については詳細わたる記述はない。ロー尾dマップ、戦略的課題の達成ルートを構築するのはどうやらメドヴェージェフ内閣の作業となるようだ。
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