福井県の総合ニュースサイト 福井新聞オンライン


全国の速報

福井のニュース  社会

再稼働、国民に対し首相の説明必要 経産副大臣来福で知事と町長要請

(2012年5月15日午後9時07分)

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をめぐり、福井県の西川知事と時岡忍おおい町長は15日、牧野聖修経済産業副大臣と福井県庁、おおい町役場でそれぞれ会談した。知事は原子力規制庁が発足するまでの間、大飯原発について特別な安全監視体制を現地で構築するよう要請したのに対し、牧野副大臣は早急に設置するよう検討すると回答した。知事、町長は、原発の安全性、必要性について野田佳彦首相が先頭に立って国民へ説明するなど政府が「覚悟」を持って対応するようあらためて求めた。(伊豆倉知、青木伸方)

 時岡町長は「立地自治体が生命線と考える国の原子力政策の一元的な管理責任を確認したい」と要請。牧野副大臣は「首相が一元的管理の責任者としてリーダーシップを発揮するよう伝える」と答え、国と立地自治体が連携を密にする考えも示した。

 安全監視体制の強化に関して枝野幸男経産相は4月に西川知事と会談した際、定期検査で停止している原発を再稼働させる場合、「起動時から安定的な通常運転に移行するまでの間、プラントの機能試験などへの立ち会いなど特別な検査体制を取る」と説明していた。知事は、政府方針をさらに充実させるよう提案した形だ。

 原子力規制庁に関して政府案では、原発が立地する全国22カ所に原子力規制事務所を設け、原子力保安検査官(定員152人)や原子力防災専門官(同30人)を配置する方針。特別な監視体制は、発足が遅れている規制庁の新体制を先取りするともいえる。

 会談で知事は、規制庁発足まで大飯原発の地元に特別な安全監視体制をつくるという現実的な対応が、国民の納得につながると訴えた。副大臣は「大変貴重な意見。重く受け止める」と答えた。

 知事の提案を受け、国は組織の在り方などを検討する。副大臣は記者団に「保安院や技術者などが集まり、強い監視体制をつくる。福井県が入ることも必要」と語った。

 知事は、福井県として監視体制に参加する意向を示す一方、政府が検討するとしていた京都、滋賀両府県の参画については「立場が違う。立地のわれわれが責任を持って参加する」と否定的な見解を示した。副大臣も両府県の参加は考えていないとした上で「何らかの形でいつでも(話が)通じるようになればいい」と述べた。

 一方、時岡町長との会談には、新谷欣也町会議長らも同席。町会が再稼働に同意する見解を出した点について、副大臣は「世論の厳しい風の中、国家的見地から決断してもらいありがたい」と述べた。

》福井のドクター相談室 》安全・安心・お助けサイト 》福井の原発ニュース

》福井新聞チラシの森 》福井新聞動画の森

 

 

福井のジャンル

福井新聞ご購読のお申し込み 福井新聞電子版購読のお申し込み

ニュースランキング

弔電サービス「わたっくす」

ぷりん

福井新聞文化センター 風の森倶楽部


〒910-8552 福井県福井市大和田町56

TEL:0776-57-5111

本ページに掲載の記事・写真などの一切の無断掲載を禁じます。