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人口減で空き家対策が課題、12年度から改築促進を制度化/横須賀

2012年5月9日

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 人口減少の続く横須賀市で空き家対策が課題となっている。丘陵地に谷が入り込む地形「谷戸(やと)」に沿った細い路地や石段、坂道に面した物件では、入居者を得るのは簡単ではない。正しい管理をせずに放置されれば安全や防犯上の問題が周囲にも出てくるため、市は2012年度から改築促進策を制度化。市議会からも指導や勧告、代執行など強い措置を盛り込んだ条例制定の動きが出ている。

■18%

 米海軍横須賀基地を見下ろす丘陵地。谷戸に沿って家々が立ち並ぶ。狭い路地や石段を進まなければたどり着けない家もある。

 市は昨年6月、市内の谷戸を対象に実施した調査報告を取りまとめた。地域によっては建物総数のうち最大18・5%が空き家だった。

 空き家率の高い地域では高齢化も著しい。報告書も「宅配サービスを受けられないなど、高齢者の買い物には不便な地域」「不審者や放火などの不安を住民に与えている」と指摘している。

■負担

 市は昨年、谷戸の空き家の持ち主に対して適正管理を求める指導を実施した。だが自治会関係者は「石段の多い地域では解体しても廃材を運び出すのが大変。費用も手間も余計にかかってしまう」と明かす。

 空き家が長期にわたって放置されがちな背景には、税率上の優遇措置もある。現在は一定の条件で土地に建物が立っていれば税が減免されているが、更地になれば対象外となり、税負担が本則に戻るためだ。

 市は12年度当初予算で、谷戸地域の老朽化した家屋の解体費の助成を制度化した。「税の差額分を補うことで負担を緩和し、対処につなげたい」(市都市部)狙いだ。空き家のリフォームへの助成も導入。若年層が住むために空き家を改築する費用の一部を補う。

■覚悟

 横須賀市議会では、空き家の適正管理に関する条例を議員提案でつくる動きが出ている。

 空き家についての市民からの情報提供、管理者への指導や勧告、従わない場合の公表や代執行などが骨子に盛り込まれた。提案会派は「横須賀では状況が切迫しており、執行部に覚悟を促す狙い」と説明している。6月開会予定の定例会に提案する方針だ。

 ただ老朽化した家屋の解体や改築が進んでも、新たに定住者を呼び込める住宅商品の価値が整うかどうかは別の課題だ。地元不動産会社は「都心部と違い、横須賀では住宅の価格差が小さい上、人口動向に対する住宅供給も足りている」。谷戸に住む意義の発信と併せた供給が求められそうだ。

       ◆

横須賀市の人口
 4月1日時点の人口は41万3401人。横浜市、川崎市、相模原市、藤沢市に次ぐ県内5位。1977年に旧・相模原市に抜かれた後は4位の座を保ち、90年代前半には43万人を超えて人口がピークとなった。その後は年間で千~2千人規模の減少が続き、今年4月時点で藤沢市(41万5211人)に追い抜かれた。

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