復帰40年:「本土で基地 どうですか」

2012年5月14日 10時15分
(35時間18分前に更新)

 基地のない沖縄を願う平和行進を締めくくった13日の県民大会。あいさつに立った第2次普天間爆音差し止め訴訟の原告団長、島田善次さんは、本土で基地を引き受けられないのかと問い掛けた。沖縄の基地負担が変わらない現状が、日本の沖縄に対する「差別」だという考えが広がる中、本土からの参加者はこの問いをどう受け止めたのか。(福井悠介)

 東京、埼玉、長野…。会場の半分ほどを県外労組の参加者が埋める。島田さんは「安保条約も抑止力も必要だというなら、あなたのところで基地を引き受けてくれないかと言ったら『それはごめんだ』と言う。このような状況で沖縄から基地を撤去できますか」「悪いところは全部沖縄に押し付ける。醜い日本人の姿だ」と畳み掛けた。

 東京都から参加した公務員の遠藤光さん(29)は2年前にも普天間飛行場を取り囲んだ。「どう考えても危険な基地。単純にそう思う」。それからは中学や高校の友達との飲み会でも、乗り気でない友人たちに基地問題の話をしてきた。しかし「日本国内で移しても、問題は結局一緒かな。基地をなくすしかないんじゃないか」と本土で受け入れることには積極的でない。

 一緒に参加した野口淳さん(28)が「メガフロートを沖に浮かせて、ある程度の安全を確保しながら、本土の海に移すことも考えられるかも」と助け舟を出す。

 野口さんは今回初めて行進に参加。「車の運転手が渋滞の原因になってる行進を嫌そうに見ていた。『本土から来て何もできないのに旗持って歩いて』って思われてるのか」と吐露。平和行進が必ずしも県民に歓迎されていないのかと不安になった。

 ステージでは島田さんが「沖縄に来ることも大事だが、地元で、沖縄という地をどうするのか。自分たちだけ腹を上にして寝て、沖縄の痛みは分かるのか問い掛けて」と呼び掛ける。

 野口さんは「行進で感じたことを周りの人たちに伝えていきたい。少しずつでも、いつか、東京都の隅々に伝わっていけばいい」と答えた。

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