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おおい町議会 町長に再開同意伝える
5月14日 16時59分

おおい町議会 町長に再開同意伝える
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関西電力大飯原子力発電所について、地元・おおい町議会は14日、全員協議会を開いて運転再開に同意することを決め、時岡忍町長に伝えました。

関西電力大飯原発の3号機と4号機の運転再開の是非を巡って、町議会は14日朝から全員協議会を開き、最終的な意見の集約を行いました。
この中で、一部の議員からは「東京電力福島第一原発の事故の原因究明の途中で、国の新しい規制機関すらないなか、飯原発の運転再開は許されない」として、運転再開に反対する意見が出ました。
しかし、多くの議員からは「原発の長期停止で地元の経済、雇用が窮地に陥っている。町の財政や雇用を守るために運転再開は必要だ」などと再開を認める意見が出て、おおい町議会として、運転再開に同意することを決めました。
これを受けて午後3時すぎ、新谷欣也議長は時岡町長と面談し、「議会として安全性と必要性についておおむね理解し、電力消費地の生活や経済に及ぼす影響を考慮のうえ、運転再開に同意する」と口頭で報告しました。
また、新谷議長は「国の不透明な対応が原因で、関西の消費地の意見をどのように受け止めるかなど町議会の権限を超える議論や判断を強いられた」と政府の姿勢に対する疑問も述べたうえで、原子力規制庁の早期発足が望まれるなど議論の経過で出た個々の意見も伝えました。
時岡町長は、運転再開の是非の判断は、町議会の意向とともに県の専門家会議の検証結果を踏まえて行う考えを示していて、今後は、検証結果がどのような形で示されるのかに焦点が移ることになります。

時岡町長“関西圏の理解必要”

大飯原発3号機と4号機の運転再開に同意するという議会の報告を受けた福井県おおい町の時岡忍町長が記者会見し、運転再開の是非の判断については、「関西圏の運転再開への理解が進んでおらず、まだ解決しなければならない課題がある。もう少し慎重に判断しないといけない」と述べて、福井県の原子力安全専門委員会の見解とともに、関西の消費地への国の対応を見極める考えを示しました。
一方で、電力の供給地として、安定した電力供給に寄与する責任もあるとして、今月末までには最終的な判断を行う考えを示しました。

新谷議長“適切な判断できた”

14日に全員協議会を開いて大飯原子力発電所の運転再開に同意することを決めた地元・おおい町議会の新谷欣也議長は、町長に報告したあと、記者団の取材に応じ、「国から町議会に対して、運転再開の是非という非常に重いボールを投げられたが、しっかりと住民の意見を聞き、適切な判断ができたと思う」と述べました。
一方で、新谷議長は14日に示した議会としての見解の中で、「国が確認したとする大飯原発の安全性はおおむね理解できる」として、あえて「おおむね」と付けた表現をしていることについて、「今回の運転再開の同意は、個々の議員にとって『苦渋の決断』だったと思うし、わたし自身もそうだった」と述べ、町議会として安全性に関する国の判断を完全に認めたわけではないという考えを示しました。
そのうえで、原子力の安全規制を行う組織の早期発足を望む声など、国の対応を求める意見については、町議会として運転再開の是非を判断する材料とせず、「今後、時岡町長から国に伝えていただきたい」と述べました。

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