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'12/5/12

公立校教員採用の辞退者増加


 2012年度の公立学校の教員採用で、中国地方5県の採用試験に合格した1955人のうち、105人が辞退していたことが11日、分かった。5県とも前年度を上回った。大量退職を控えて全国で採用数を増やす動きが広がる中、辞退者が多かった広島、岡山両県教委は県内の大学に通う他県出身者が地元でも合格し、Uターンするケースが多かったとみる。広島県教委と広島市教委は11日、13年度の採用予定者数を1989年度以降で最多の790人と決めた。

 5県の採用試験合格者と辞退者の内訳は、広島764人(うち辞退者48人)▽山口285人(6人)▽岡山590人(44人)▽島根167人(5人)▽鳥取149人(2人)。辞退者は広島で前年度と比べ15人、岡山で19人増加し、他の3県でも2〜4人増えた。

 広島では合格通知を出した昨年9月末以降、辞退が相次いだ。大半は広島大など県内の大学に通う県外出身者。広島と地元の両方の採用試験を受け、地元も合格したとの理由が目立った。さらに13人が1年間の採用猶予の特例対象となり、最終的な採用者数は703人だった。

 広島県教委によると定年退職者は02〜08年度は200人台だったが、09年度以降は300人台に増加。12年度は379人で、ピークの16年度には690人前後になると見込む。

 第2次ベビーブーム世代が就学し始めた1980年前後に大量採用したためで、他県も同様の傾向にある。県教委は「採用数の増加で学生は以前より試験に合格しやすくなったが、採用競争は激しくなる。人材の確保に向け採用活動に力を入れたい」とする。




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