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主要記事 [2012-05-15]

国交省提出法案、未審議状態続く/12法案、成立は1件のみ

 国土交通省が今通常国会に提出した法案の成立の見通しが立たない状態が続いている。計12件の提出法案のうち、これまでに成立したのは、予算関連法案である都市再生特別措置法の一部改正法案の1件だけ。参院で問責決議を受けた前田武志国土交通相らの対応で野党側が国会審議拒否を続けているのが主な理由。成立しなければ都市の低炭素化に向けた取り組みなど主要政策が滞る可能性も出てくる。
 国交省が今通常国会に提出した法案は、「都市の低炭素化の促進に関する法律案(低炭素まちづくり促進法案)」や「交通基本法案」「ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法案」「民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律案」「不動産特定協同事業法の一部改正法案」など計12件。このうち、成立したのは、大規模震災時に官民が連携して滞在者の安全を確保する都市再生特別措置法改正案だけだ。予算関連法案は、都市再生特別措置法改正案だけのため、予算的問題は発生しない。
 ただ、例えば低炭素まちづくり促進法案は、民間の低炭素建築物の認定や市町村による低炭素まちづくり計画の策定などによって市街化区域の民間投資を促進する考え。前田国交相が持続可能な低炭素社会を構築するモデルを東日本大震災被災地で実施するとして打ち出した法案だ。税制優遇などを用意しているものの、成立のめどが立たっていない。
 「民間の能力を活用した国監理空港等の運営に関する法律案」はPFI法改正によって実施できるようになったコンセッション方式を国や自治体が管理する空港で適用可能にする。民間活力の導入という政府の方針に沿った大規模コンセッションとして注目される法案だが、法律が成立しなければ、14年度からの国管理空港運営の民間委託を開始という想定スケジュールも遅れかねない。
 昨年の通常国会に提出した交通基本法案も1月24日に衆議院に付託されたまま。社会保障と税の一体改革や閣僚の問責決議可決などによる政治の停滞が民間投資活動に影響を与えないか懸念する声も出始めている。