沖縄電力株式会社  環境行動レポート2009

新エネルギーの導入

自然エネルギーの活用 Gマーク

太陽光、風力などの自然エネルギー用語は天候に左右されるためエネルギー密度が低く、発電コストが高いなどの課題があります。しかしながら、地球温暖化の原因とされているCO2を排出せず、環境問題への対応に役立つクリーンなエネルギーであることから社会的な期待および必要性は高まってきています。

また、2003年4月には「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」用語が施行され、販売電力量の一定割合を新エネルギーで充当することが電気事業者に義務づけられました。

沖電グループでは、風力や太陽光を用いた新エネルギー発電の開発や導入に力を入れており、県内の離島をはじめとする各地域で15,748kW(2008年度末現在)の新エネルギーによる発電設備を設置しています。

当社では更なる新エネルギーの導入に向けて、風力や太陽光の他にも、バイオマスを用いた発電などについて検討を進めています。

 

太陽光発電

太陽光発電は、太陽の光をエネルギー源とするクリーンな発電方式の一つです。

本島・離島に太陽光発電システムを設置し、一般家庭などへの本格普及を想定し、系統連系などの技術的課題の調査、検討を進めると同時に、運転研究をとおして太陽光発電システムの性能評価を行っています。

●太陽光発電の発電量(当社および沖電グループ実績)

太陽光発電の発電量(当社および沖電グループ実績)

 

北大東太陽光発電実証研究設備 宮古太陽光発電実証研究設備(後方は、沖縄新エネ開発(株)の風力発電設備)
▲北大東太陽光発電実証研究設備
アモルファス太陽電池は、夏場の温度上昇に強く沖縄の気候に最も適した太陽電池であることが実証されています。本格的普及に向け研究を行っています。
▲宮古太陽光発電実証研究設備(後方は、沖縄新エネ開発(株)の風力発電設備)
2003年の台風14号で太陽電池パネルの約3割が被害を受けましたが、残りの健全部分の太陽電池パネルを使用し、2006年3月に運転を再 開しました。

 

NEDO太陽光発電システム等国際共同実証開発事業の受託(ラオス)

NEDO太陽光発電システム等国際共同実証開発事業の受託(ラオス)NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)から、ラオス人民民主共和国における実証開発事業を受託しました。

受託内容は、ラオス人民民主共和国ポンサリー県マイ郡において、太陽光発電の出力変動を緩和し電力品質への影響を小さくするシステム制御技術等の実証開発を行うものです。

雨期と乾期で日射量や河川の水量が大きく変動する地域では、太陽光発電と小水力発電とを組み合わせたハイブリッドシステムが有望視されています。

今回の研究では、太陽光発電の日射量の変化に伴う出力変動が大きいという課題に対して、瞬時の充放電が可能な電気二重層キャパシタ(電力貯蔵機器)による調整を行い、さらに小水力発電による出力調整を行うことで、より安定的な電力供給が可能な太陽光発電システムの実証開発を行います。

本事業を通じて太陽光発電システムの新たな技術の開発が期待されます。

【事業について】

(1)期間:2007年10月15日から2010年9月30日

(2)実証試験場所:ラオス人民民主共和国ポンサリー県マイ郡

(3)その他:業務の一部を沖電設計株式会社(現 株式会社沖縄エネテック)、株式会社明電舎に再委託しています。

風力発電 Gマーク

風力発電は、風をエネルギー源とするクリーンな発電方式の一つです。離島に導入されている風力発電システムには、蓄電池などを用いて発電出力を制御する「風力発電ハイブリッドシステム」と蓄電池を用いずに発電出力を制御する「風力発電出力制御システム」があり、それぞれのシステムで不安定な風力エネルギーを制御する研究を進めています。

沖電グループの風力発電導入については、沖縄新エネ開発(株)が中心となって推進しています。

*沖縄新エネ開発(株)の【地球温暖化対策への貢献】については、こちらを参照ください。

●風力発電の発電量(当社および沖電グループ実績)

▲伊江島風力発電所(沖縄新エネ開発(株)Gマーク ▲与那国風力発電実証研究設備(沖縄電力(株))

 

●風力発電出力制御システム

風力発電出力制御システム


小規模離島における可倒式風力発電設備の導入について

風車傾倒概念図
▲風車傾倒概念図

当社離島部門において、収支動向の恒常的な不均衡状態の改善、および新エネ導入によるRPS法義務量達成、二酸化炭素排出量低減へ向けて、この度、日本初となる可倒式風力発電設備※を波照間島へ導入することになりました。

初号機となる可倒式風力発電設備は、波照間島への導入(245kW×2基)を予定しており、併せて系統安定化装置(フライホイール型)を設置します。これらの事業は、沖縄特別振興対策調整費対象事業として実施しています。

※本体を90度近く倒すことができる風車で、台風の強風に耐えるのではなく台風時の強風を避ける新たな風力発電設備

RPS制度および余剰電力の購入

当社では、社会全体でエネルギーの有効利用を図るため、また新エネルギーの利用促進・普及拡大による電力会社の役割を果たすためにRPS法用語施行以前から、新エネ等発電設備(風力発電・太陽光発電・廃棄物発電)からの余剰電力用語を購入する制度を設け、可能な限り余剰電力を購入しています。

2008年度は当社に課せられた新エネルギー等利用量(以下「義務量」という)51,086千kWhに対し、自社発電分、他社購入分あわせて義務量を達成しました。今後も、風力発電の導入のほか、バイオマス発電や小水力発電などの新エネルギー設備についても検討を行い、義務量達成に向けて努力を続けていきます。

沖縄グリーン電力基金

石嶺市営団地に太陽光発電設備を設置
▲石嶺市営団地に太陽光発電設備を設置

沖縄グリーン電力基金用語とは、環境にやさしい自然エネルギーの普及促進に賛同するお客さまからの寄付金を活用して、風力発電・太陽光発電設備開発への助成を図る制度です。基金に賛同されるお客さまから一口あたり500円の寄付金を毎月の電気料金とあわせて拠出していただき、当社はその収納業務を代行しています。

集められた寄付金はその透明性を確保するため、(財)南西地域産業活性化センター内に設置された学識経験者・経済界代表・消費者代表などから構成される「沖縄グリーン電力基金運営委員会」で、その効率的な助成配分を決定します。なお、当社は寄付金の代行収納のほか、同基金に対して、相応の寄付金(マッチングギフト)を拠出しています。

●沖縄グリーン電力基金主な助成先

助成先 助成額 設備区分 助成対象出力 設備設置場所 備考
那覇市役所 150万円 太陽光発電設備 15kW(18kW) 石嶺市営住宅 2007年度募集
55万円 5.5kW 城北小学校屋内運動場
55万円 5kW 高良幼稚園 2008年度募集
150万円 15kW(17.28kW) 識名市営住宅

※助成の上限は15kWとなっています。

●沖縄グリーン電力基金の運用フロー図

●沖縄グリーン電力基金の運用フロー図

お問い合せ先:営業部 098-877-2341(代)