番組放送日:2012年01月31日
肩こりになってしまうある“クセ”とは?その“クセ”が引き起こす恐しい病とは?詳しく解説します! 超簡単!ある“張り紙”を見るだけで、肩こりにつながるTCHを治せる方法を大公開! “張り紙”を見るだけ肩こりが治る!?そんな夢のような解消法に密着しました! |
日本人、特に女性が訴えるカラダの悩みで最も多い 「肩こり」
厚生労働省が全国22万8千人を対象にした調査では、肩こりが堂々の第一位
そもそも肩こりとは・・・ 姿勢の悪さや運動不足・ストレスなどで筋肉の血流が滞り硬くなってしまっている状態 |
マッサージなどの肩こり対処法で症状が和らぐのはつかの間の事・・・
そんな何をやってもなかなか治らない「肩こり」を根本的に治せるかもしれない新原因がわかったのです。
【重要キーワード① しつこい肩こりの新原因 “TCH” 】 |
“TCH”とは日常生活の中でついやってしまっているあるクセのこと
果たしてそれはどんなクセなのか?
20代から60代の男女10名に集まってもらい、ある検査を実施しました。
するとなんと10名中8名がTCHをしている可能性があることが判明!
さらに詳しく調べると8名全員があごの一部がずれていたのです。
あごのMRI画像 |
なんと上あごと下あごの接触部分がずれていたの |
果たして、「TCH」とはどんなクセなのか?治らない肩こり、そしてあごの一部のズレとどのような関係があるのか?名医が詳しくお答えします!
【名医が解説!】 TCHとはどんなクセ?治らない肩こりとあごのズレは、どう関係があるのか?
TCHとあごの関係について詳しい
|
実は通常、口を閉じている時は上と下の歯は離れているのが普通です。歯と歯が接触するのは、会話時や物を噛むとき、食事などをして食べ物を咀嚼するときだけ。そういう時でなくても歯と歯を接触させてしまうクセをTCHというのです。最近、このTCHをしている人が多くなっているのです。
TCHの自覚がない人は、本当に歯と歯が接触していないのでしょうか?
実際に測定してみる事にしました。
ご協力頂いたのは肩こり歴25年のTさん。TCHの自覚は全くないといいます。
計測には、筋肉の動きを感知する筋電計を使用。
歯をかむ時に筋肉から発生する微弱な電気をとらえ、TCHの時間を計測します。
その結果がこちら!
14時間中およそ3分の1、歯を接触させていました。それもパソコン作業中が際立っていたの
です。TCHは自覚がなくても、何かに集中すると知らず知らずの内にしている可能性が高いのです。
Q: | 洗濯とか家事ではTCHにならないの? |
A: | TCHをする時の多くは、集中して作業をする場合とストレスを感じている場合の2つが多くなります。家事や洗濯でも自分がストレスだと思えばTCHをしてしまいます。 また昼間の活動時にTCHをしている人の多くは睡眠時にもTCHをしている傾向が高いことがわかっています。 |
TCHがなぜ肩こりを引き起こしてしまうのか、模型を使って先生が解説!
TCHが肩こりを引き起こすのは、あごに関係しています。
あごは上あごと下あごがあり、動かせるのは下あごだけ。その接触部分を“顎関節”と言います。 |
日常的に少しでも歯と歯が接触していればこの顎関節に長時間力がかかることになります。 |
噛む筋肉が疲弊すると、それを補おうと周りの筋肉、首から胸にかけての胸鎖乳突筋や首上から肩への僧帽筋といった肩周りの筋肉が緊張し、疲弊すると肩こりと認識するのです。 |
|
もちろん肩こりは姿勢の悪さや運動不足といった複合的な要因で起きていますが、TCHをしている人の多くは肩こりに悩んでいる方が多いということが最近分かってきました。
さらにTCHが引き起こすのが、あごの一部のズレ。
実はそのズレを放っておくと大変な事になってしまうのです。
【実際の症例】
※専門医の指導のもと実際の症例を参考に構成しています
|
マイホームのローン返済のため、和子さんは一念発起。以前から興味のあった介護ヘルパーの資格をとる決意を固めたのです。しかしその頃からあの癖が出始めました。
集中して、勉強すればするほど無意識に歯を合わせてしまう【TCH】です。
症状①肩こり |
症状②あごから異音が出る |
症状③口が開かない そして7年後。 お弁当の里芋を食べようと口に運んだ時、突然口が開かなくなってしまったのです。 頑張っても指一本がギリギリはいる程度・・・。 |
症状④あごに激痛が走る |
翌日、病院へ向かった和子さん。ようやく、TCHがもたらした病の正体が明らかになるのです。
病名:顎関節症
あごの接触部分である顎関節に絶えず負担がかかる事で、周りの筋肉や関節に痛みを感じ、
ひどくなると、口が開けられない状態にまで陥る病。
最近その原因として注目されているものこそ【TCH】なのです。
和子さんの場合、家事のストレスと勉強に集中した事でTCHを行うようになり、歯と歯が触れている
間中、顎関節に力をかけ続けてしまいました。
そして和子さんはたった7年で関節円板が顎関節の間に挟まり、口を開こうとしても開けられない状態になってしまい、開こうとするとあごの骨に負担がかかり激痛が走るようになってしまったのです。
Q: | 関節円板がズレてしまったら元に戻せますか? |
A: | 顎関節を切開して治す手術などはありますが、それでもズレた関節円板は完全には元に戻せま せん。だから、早期に自分がTCHをしているかどうかを発見することがとても大切です。 TCHをしているかどうか簡単に分かる方法は、携帯サイトでご紹介しています。 |
では、TCHを治すにはどうしたらいいのでしょうか?
【重要キーワード② 張り紙を見るだけでTCHが治せる!】 |
ご協力頂いたのは、TCHが原因と考えられる肩こりに長年悩まされてきたというTさん。
10代の頃から肩こりはひどく今では週に一回のマッサージが欠かせないといいます。
肩の硬さを筋硬度計で測定すると、右肩「40」・左肩「37」と何と平均20とするところ倍の硬さ。
こちらはTさんの1日のTCHの様子を表したグラフです。
午前中の家事、パソコン作業時、夕飯の準備の時間に際立ってTCHをしていることが分かります。
合計、何と、1日4時間12分でした。
そこで、木野先生にTCHを改善する方法を伝授してもらうことに。
|
さっそくTさんは分かりやすく「歯を離す」とだけ書いたふせんを最も頻繁に出入りする台所をはじめ、必ず押すリビングのスイッチ、毎日出入りする廊下に並ぶドア、洗面所の鏡など、合計29枚を家の至るところに貼りつけました。 |
しかし、こんな貼り紙だけで、
TCHや、Tさんが長年悩まされてきたひどい肩こりは解消されるのでしょうか?
1日目
TCH合計時間 57分 |
Tさんはふせんをみる度に歯を離すように。 効果てきめんです! この日、Tさんがふせんを見た回数は93回。 午前中の家事やパソコン作業中のTCHはだいぶ少なくなりました。 |
5日目
TCH合計時間 2時間36分 |
この日、Tさんにある変化が見え始めました。
ふせんを見ていなくても数値が上昇しない時間が出来始めたのです。
徐々にTCHのくせが抜け始めました。
10日目 (最終日)
TCH合計時間 1時間37分 |
家事やパソコン作業中のTCHがかなり減り、当初よりも60%以上も減少していました。
ふせんを見ている回数も、当初の93回から65回と10日間で最も減少。自然と歯を離せるようになっていました。肩の硬さも右肩「31」・左肩「30」とそれぞれ大幅に解消。
ご本人も肩こりが軽くなったと大喜びでした。
たった10日間でTCHを解消し、肩こりまでも軽くできる張り紙作戦。
みなさんも是非、試してみてはいかがでしょうか?
|
|
肩こりや顎関節症の原因となる“TCH”は、 他にも様々な影響を及ぼすことがわかってきたそう。 木野先生に詳しく解説していただきます! |
口が大きく開かなかったり、やたらと肩がこったりすることはありませんか? |
東京医科歯科大学では、通常の診療体制で患者さんの治療に専念されております。 電話でのお問い合わせは診療に支障が出る場合もありますので、申し訳ありませんがお控えください。 ご質問等につきましては「次世代の顎関節症治療を考える会」のホームページ (http://tmd-kino.com/)からお問合せ下さい。 こちらのホームページではTCHや顎関節症などについての詳しい情報もご覧いただけます。 |