NHK岩手県のニュース　盛岡放送局

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二重ローン支援進まず

東日本大震災のあと銀行による中小企業への貸出は、増えている一方で、二重ローンを抱えた被災地の事業者への支援は進まず、依然として、厳しい状況が続いています。
１４日発表された岩手県の地方銀行の決算によりますとことし３月期の１年間の中小企業への貸出残高は、岩手銀行が４６００億円あまり、北日本銀行が３２００億円あまり、東北銀行が２５００億円あまりと、震災前の前の期と比べて７０億円から１００億円増えました。
これは被災した企業が、新規の工場を建設したり、事務所を修繕したりするための資金需要が増えているためです。
一方で、東日本大震災で二重ローンを抱えた事業者などを支援するため県や銀行などが出資した「岩手産業復興機構」による債権の買い取りは進んでいません。
今月１０日現在、二重ローンを抱えた２７９の事業者から相談があったということですが、経営改善の見通しが立たないなどとして実際に債権が買い取られたのは１０件のみです。このため２重ローンを抱えた事業者が、銀行から、新たな融資を受けるのは難しい状況になっています。
これについて、産業復興機構に出資している東北銀行の浅沼新頭取は「現状はあまり使い勝手の良くない制度だ。スピード感を出していかないと復興の気運がなくなってしまう」と述べました。

05月15日　09時45分

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