保安院:全電源喪失の恐れ スマトラ受け東電に指摘

毎日新聞 2012年05月15日 11時29分(最終更新 05月15日 12時48分)

 経済産業省原子力安全・保安院が06年、04年のスマトラ沖大地震を受け、原発が津波で全電源喪失する恐れを東京電力に指摘していたことが分かった。その後、保安院は津波対策を電力会社に徹底させておらず、東電もこの指摘を生かしていなかった。保安院の担当者は「この時に対応していれば福島第1原発事故を防げた可能性もある」と話している。

 15日、閣議後の記者会見で枝野幸男経産相が明らかにした。

 保安院は06年1月から、原子力安全基盤機構や東電など電力会社とともに内部の勉強会を開催。スマトラ沖大地震による津波でインドの原発が、原子炉の熱を海に逃がす海水ポンプの機能を失ったため、国内の原発への影響や対策を検討した。

 同年8月、想定を超える津波による浸水で全電源喪失や、福島第1原発で海水ポンプが使用不可能になる危険性が示された。

 しかし、今月14日の国会の事故調査委員会で、東電の勝俣恒久会長は「私に(指摘は)伝わっておらず、経営陣で対策の検討はしていない」と述べた。【岡田英、奥山智己】

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