インサイド:Jリーグ20年 第2部 クラブ経営の今/1

毎日新聞 2012年05月15日 東京朝刊

 ◇親会社依存から脱却

 93年5月15日、カクテル光線を浴びてJリーグは華やかに幕を開けた。東京・国立競技場での開幕戦に登場し、三浦知良(現横浜FC)らスター選手をそろえて初代王者に輝いたヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)は押しも押されもせぬリーグの顔だった。

 しかし人気選手の流出や本拠地移転などで客足が落ち、J2降格もあって低迷した。不況で赤字に転落した親会社の日本テレビ放送網が09年9月に運営から撤退。クラブOBが再建に乗り出したが、1年も持たずに頓挫し、10年6月、Jリーグ事務局長の羽生英之が新社長となり、一時はリーグが直接運営する異例の事態となった。

 Jクラブの多くは当初、企業チームの流れをくみ、親会社が中心となって支えた。東京ヴは広告料や入場料による収入を人件費などの支出が大幅に上回る赤字体質。日テレが業務委託費名目で年間10億円単位で支援したため、見た目の赤字はなかった。日テレが撤退する際、日テレ出身のクラブ幹部は「企業が面倒を見る形だと経済状況に左右され、(撤退は)避けられない運命」と語った。親会社が実質的に赤字を埋める関係は他クラブでもある。

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