ＳＮＳなら簡単に会える？　ＡＫＢ“ぐぐたす”フル活用

　人気アイドルグループ「ＡＫＢ４８」が、ソーシャル・ネットワーキング・サービス（ＳＮＳ）の「グーグルプラス」をフル活用している。姉妹グループを含む２００人以上のメンバーが自由に書き込んでファンとメッセージをやりとりし、今月４日には前田敦子さん（２０）が卒業に向けた心境をここで語った。活用は他のアイドルたちにも広がりそうだ。

【ピックアップ特集】会いに行けるアイドル「ＡＫＢ４８」

　「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、平成１７年に秋葉原の小劇場で活動をスタートさせたＡＫＢ４８。人気上昇とともにチケットの入手倍率は上昇し、実際に会うのは難しくなった。その代わりに、総合プロデューサーの秋元康氏が考えたのが“ＳＮＳで会えるアイドル”。昨年１２月８日に「ＡＫＢ新戦略プロジェクト」を発表し、「グーグルの協力で、全てのメンバーと全てのファンを結ぶインフラができた」と語った。

　書き込まれているのは、メンバーの身辺雑記やイベント後の素顔など。「ぐぐたす」の愛称で呼ばれ、ブログよりも気軽で、メッセージのやりとりがリアルタイムに近い感覚でできるのが特徴だ。

　グーグル日本法人によると、昨年９月にスタートした同サービスは１０月時点で約４千万人が世界で利用していたが、現在は１億７千万人以上。「ＡＫＢ４８のファンは海外にも多く、利用者急増の要因の一つになっている」という。

　■まるで会話しているみたい

　「イベント無事に終わりましたー」「信じられないくらい寝てしまった…」

　他愛ない書き込みに数百のコメントが付く。「ファンが最もコメントをくれるのが午後１１時からで、その時間に書き込むと、まるで会話をしているよう。メンバーのページにも書き込み合って、そのやりとりが楽しいです」

　岩佐美咲さん（１７）は、慣れた手つきでスマートフォン（高機能携帯電話）を操作する。ＡＫＢ４８のチームＡに所属し、派生ユニット「渡り廊下走り隊７」の一員としても活動。それと並行して２月にシングル「無人駅」でソロデビューした。“ＡＫＢ初の演歌歌手”だ。

　「祖父母と同居し、北島三郎さんや都はるみさんの演歌を聴いて育ちました。そのためか演歌は日本の歌の原点だと感じていたんです」

　ＡＫＢ４８のメンバーは今月中旬で８９人。素顔を見せられるブログやＳＮＳは、“８９分の１”を個々に光らせる力がある。取材日は東京・蒲田でのイベントで１昼夜２公演の日程をこなし、夜には「夜桜演歌まつりにださせていただきましたー」と写真付きでグーグルプラスに書き込んだ。

　「お疲れさま」。次々と届くファンのメッセージを追いながら、多忙な明日のために眠りに就く。（竹中文）

【関連記事】
ＡＫＢの夏！水着姿サマーソングＰＶ初公開
ＡＫＢ“パクり”たけし公認ジャンケン大会！
どうみる「あっちゃん卒業」　法政大教授と評論家に聞く
アイドル３人、ファンと個人的に付き合いクビ＆謹慎
アイドルも骨折…タンパク質、ビタミンＤ不足に注意
パリっ子が「芸術の解放者」と熱狂したＫＩＴＡＮＯ