ホテル火災:12室の窓にベニヤ板 消火妨げた可能性

毎日新聞 2012年05月15日 15時00分(最終更新 05月15日 15時28分)

 広島県福山市のホテルプリンスで宿泊客7人が死亡し、3人が重傷を負った火災で、犠牲者がいた客室の窓は全てベニヤ板で覆われていたことが消防関係者への取材で分かった。火災の際、客室に煙がこもった要因になったうえ、消防の消火・救助活動を妨げた可能性もあるという。県警は、防火上の不備が被害を拡大した可能性が高いとみて、経営者側について業務上過失致死傷の疑いで捜査している。

 消防関係者などによると、ホテルは2階(木造と鉄筋)に12、3階(鉄筋)に6の客室があった。このうち、鉄筋部分の客室計12の窓には内側からベニヤ板が設置されていた。

 ベニヤ板は内装として設けられ、室内側に障子のデザインのクロスが張られていた。観音開きのように開くものと、固定されたものがあった。木造部分の客室にはなかった。

 福山市は防災査察で、建築基準法上の8項目で違法状態にあると認定、ホテル側に繰り返し改善を指導した。このうち、排煙設備の不備と内装の難燃材の項目で、このベニヤ板を問題視していた。ベニヤ板が妨げになって窓から煙が排出されず、燃えやすい材質だった。

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