できごと【広島ホテル火災】火元責任者は死亡の父 地元消防が見落とし2012.5.15 13:32

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できごと

【広島ホテル火災】
火元責任者は死亡の父 地元消防が見落とし

2012.5.15 13:32 westピックアップ
既に亡くなっていた経営者の父親が火元責任者になっていたホテル。この日も現場検証が続いた=15日午前9時17分、広島県福山市西桜町

既に亡くなっていた経営者の父親が火元責任者になっていたホテル。この日も現場検証が続いた=15日午前9時17分、広島県福山市西桜町

 広島県福山市の「ホテルプリンス」で宿泊客7人が死亡、3人が重傷を負った火災で、福山地区消防組合消防局が、ホテルの火元責任者を約6年前に死亡した女性経営者(63)の父親と認識し、火災後に修正していたことが15日、同消防局への取材で分かった。同局は火災が起こるまでホテルの火元責任者すら把握しておらず、相次ぐ防火指導の不備に批判が集まりそうだ。

 また、出火当時ホテルで勤務していた女性従業員(75)が広島県警の調べに「煙に気づいて消そうとしたが、火の回りが早く間に合わなかった」と説明していたことも判明。県警は15日も現場検証を続行し、出火原因や火災の状況などを調べている。

 同消防局などによると、ホテルは女性経営者の父親が設立した有限会社が所有。ホテル側が消防法に基づいて昭和53年に提出した消防計画では、火元責任者が父親になっていたが、この父親は約6年前に他界。同局が最後に実施した平成15年9月の査察では、代理人として父親以外の関係者が立ち会っており、その後に死亡したことについては把握できなかったという。

 消防法施行令では、宿泊施設など一般の出入りがある建物について、収容人数が30人以上であれば、防火管理者を1人以上を置くことが義務づけられているが、火元責任者は防火管理者の補助役として管理者が作成した消防計画にも記載される。

 同局関係者は「ホテルの火元責任者が死亡していたことを見落としたのは問題だ。ホテルへの防火指導があまりにずさんだった」と話した。

 同消防局では、ホテル側に対し平成17年まで毎年消防計画や改善報告するよう通知を出していたが、それ以降は一度も出さず、事実上放置していたことも明らかになっている。

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