現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事
2012年1月22日3時7分

印刷印刷用画面を開く

mixiチェック

このエントリーをはてなブックマークに追加

除染事業、環境省が格安で発注 地元業者「できるのか」

関連トピックス

 東京電力福島第一原発事故の警戒区域内で環境省が進める除染の受注業者を決める初の競争入札で、大手ゼネコン2社が1億円超の金額を示すなか、同省が予定価格を大きく下回る1650万円で契約を決めた。地元の建設業者からは「こんな低価格できちんとした除染ができるのか」との声が出ている。

 初の発注となったのは、福島県楢葉町役場の周囲約4ヘクタールで、放射能汚染を清掃や高圧水で取り除く作業。5日に環境省で競争入札があり、前田建設工業1650万円、清水建設1890万円、大林組1億2300万円、大成建設2億7700万円――という応札額(消費税抜き)になった。

 同省会計課によると、1650万円は、同省が事前に定めた予定価格(非公表)を大きく下回っていた。このため、この日の契約は見送り、翌日に前田建設工業から事情を聴いた結果、特に問題はないことを確認して契約したという。

 これに対し、楢葉町の商工会長や復興計画検討委員会副委員長を務める渡辺征(ただし)さんは「線量が下がらなくても形だけやればいい、ということでは困る」と反発する。建設会社を経営する渡辺さんによると、面積や人手を考えると1億数千万円はかかるはずで、1650万円は「法外な低価格」という。「下請けには地元業者が入るだろうから、地元の雇用創出も考えて、環境省も適正な予算を確保してほしい」と語る。

 業界関係者は「人件費だけでも、かなりの金額がかかる。今後も多くの除染事業が予定されており、(低価格の応札は)実績づくりのためでは」と話す。

 前田建設工業は取材に「特にコメントすることはございません」(広報グループ)と答えている。(奥山俊宏)

検索フォーム

おすすめリンク

太陽光発電が普及する兆しはあるが、バブルで価格競争が激化すると日本メーカーは苦境に…。

『太陽の時代』の旗手として注目されるソフトバンク・孫社長のビジネス構想とは?

2万ヘクタール超が浸水、復旧が着実に進みつつある東北の農地のいま。

国や電力会社、原子力ムラの面々に、この危機に立ち向かう資格と覚悟はあるのか。

ビジョンが定まらないまま予算は要求する自治体とそれを看過する国。何が震災復興を阻んでいるのか。

大飯原発再稼働を地元に要請した野田政権。菅政権の「脱原発」がかすむ…。

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

東日本大震災アーカイブ

グーグルアースで見る被災者の証言

個人としての思いと、かつてない規模の震災被害、その両方を同時に伝えます(無料でご覧いただけます)

あの日、新聞はこう伝えた購読者は全文読めます

紙面イメージ

震災直後1週間の紙面を配信中

震災直後の1週間の新聞紙面から厳選した72ページを紙面ビューアーで配信(このコンテンツは購読者限定です)

プロメテウスの罠

明かされなかった福島原発事故の真実

福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート

朝日ジャーナル わたしたちと原発

「朝日ジャーナル わたしたちと原発」表紙画像

「制御できない」放射能の脅威

高橋源一郎、児玉龍彦、大熊由紀子×鎌田慧、小島慶子、天野祐吉など執筆陣が語る原発問題(表紙デザイン:箭内道彦)

検索

亡くなられた方々

| 記事一覧

【東日本大震災】救援募金を受け付け中

●銀行振り込み
三井住友銀行新橋支店(店番216)普通2133184
【口座名】朝日新聞厚生文化事業団災害口
●郵便振替
「朝日新聞厚生文化事業団」(00110・8・449253)