iPhone 4Sの目玉機能である「Siri」を皮切りに、スマートフォンを声で操作する音声アシスタントが話題です。ガジェット好きノマドワーカーとしては大いに気になるところですが、実は筆者はこの手のアプリを本気で使ったことがありません。もちろん、日本語版Siriが公開されたときは我先にアップデートしたし、ネット上でよく話題になる「Siriにこんなこと聞いてみた」的なネタも試したんですが、「へえ、面白いね」以上の感想は出てこず、日常的に音声アシストを使う気にはならなかったのです。
その理由は、「結局、手で操作した方が速いじゃん」と思ってしまうせいなんですが、今回あらためてSiriと向きあってみたところ、タップ操作よりも便利に感じるシチュエーションが少しだけ見えてきました。そこで筆者が考える使いこなしの「コツ」をご紹介します。
【コツ1】Siriと連動する機能を把握しておく
そもそもSiriで操作できる機能がわかっていないと、何をお願いしても「申し訳ありません。理解できません。」と冷たく断られてしまい、二度とSiriに何かを頼む気がしなくなります。まずはSiriと連動するアプリを覚えておきましょう。
- 電話
- FaceTime
- ミュージック
- メッセージ
- カレンダー
- リマインダー
- メモ
- 連絡先
- 天気
- 株価
- ウェブ検索
- 友達を探す
- アラーム、世界時計、タイマー
- Wikipedia検索
これらの「アプリ名」はそのまま「コマンド」にもなります。つまり、「○○さんに“電話”」、「○○さんに“メッセージ”」、「明日の“天気”」という風にコマンドを端的に伝えることで、目当ての機能が呼び出せるわけです。もっと自然な言いまわしでも認識されますが、基本的にはシンプルに“命令”するのがSiriを簡単に使いこなすコツでしょう。
【コツ2】命令をワンフレーズで伝える
Siriを使っていてイライラするのは、短いコマンドを何度もやり取りして、その度に音声の読み込みが繰り返されるケース。読み込みには長い時間がかかるので、待ち時間がムダに感じます。例えば次のようなパターンがありがちです。
自分「山田さんにメール」
Siri「山田さんのどのメールアドレスですか?」
自分「(選択する)」
Siri「メールの件名はどうしますか?」
自分「明日の打ち合わせの件で」
Siri「メールの本文はどうしますか?」
自分「いつもお世話になります。明日の打ち合わせの時間ですが……」
Siri「(文章を表示する)」
途中、1回でも聞き取れないと最初からやり直し。これだったら手で操作した方がよっぽど正確で速いですよ。Siriを使って「便利だ!」と感じるのは、一方的にワンフレーズで命令が完了するとき。実際に色々なコマンドを試してみて、個人的に使えると思ったのは以下のフレーズです。
●アラームをセットする
自分「10時にアラームをセット」
Siri「午前10:00にアラームがセットされました」(確認して完了)
●リマインドを設定する
自分「リマインド、15日、14時、宅配便を受け取る」
Siri「リマインダーを作成します」(確認して完了)
アラームやリマインドのセットはタップ操作でやると結構面倒なので、一言で済むのはかなり便利。ほかの機能でも、一言フレーズを考えてみると良さそうです。
【コツ3】データを検索させる
Siriの能力が一番活きると思うのは、何かを「検索」させるとき。例えば、大量に登録された「連絡先」から目的のアドレスを探したり、特定の人から届いたメールだけを抜き出して表示するといった操作をするときには、Siriの検索力が有効です。
●連絡先を検索する
自分「山田さんの連絡先」
Siri「連絡先を表示します」(アドレスを表示)
●メールを検索する
自分「山田さんからのメール」
Siri「山田さんからのメールが○通あります」(山田さんから届いたメールを一覧表示)
ほかにも、「ミュージック」に保存してある曲名を指定して再生させるなど、iPhone内に保存してあるデータを探す作業はSiriに頼むと手間が減らせて良い感じです。
ちなみに、初期設定のままSiriを使っていると、パスコードロックを解除していない状態でも「連絡先」や「メール」などの機能を呼び出せてしまうというセキュリティ上の問題があります。安全のためにも、「設定」→「一般」→「パスコードロック」の画面から、「Siri」の設定をオフにしておきましょう。