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おおい町議会 再稼働同意

2012年05月15日

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出席議員の賛成(起立)多数で大飯原発3、4号機の再稼働に同意したおおい町議会の全員協議会=おおい町本郷

 おおい町議会は14日に開いた全員協議会で、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働について、電力需給や地元経済への影響を理由に賛成多数で同意する意見をまとめ、時岡忍町長に伝えた。ただ、手放しの賛成ではなく、国が原子力政策の方向性を示すこと、使用済み核燃料の処分問題を早期に解決するよう求める意見も多く出た。

 全員協議会には病欠の1人を除く13人が出席。再稼働に賛成する理由としては、地元経済、雇用への影響を懸念する意見が多数を占めた。猿橋啓一議員は「地元は窮地に陥っている。飲食、宿泊業は今日、明日の客が見えない」。今川直樹議員は「安全性の確保と車の両輪のごとく雇用の問題について考えなければならない」と述べた。

 電力需給についても、尾谷和枝議員は「昨年の節電は日本中が苦労した。今年もやるのかというと、みんなこりごりだと言っている。電気がなくて一番困るのは弱者だ」と力説した。

 現在の原子力行政について問題を投げかける声も。松宮史知議員は「町民の多くは漠然とした不安を感じ、国はケアをするべきだ。エネルギーをどのように確保するのか、原子力について議論してもらいたい」。森口精治議員は「使用済み核燃料の中間貯蔵、最終処分など置き去りにされている問題を解決する方向に導いてもらいたい」と述べた。「福島の現状」を視察してからの判断を提案したが、受け入れられなかった。

 採決に加わらなかった新谷欣也議長を除き、出席議員でただ1人再稼働に反対した猿橋巧議員は「地震・津波に対する安全基準も確立されていない。避難計画も原子力規制庁もできていない。これで住民の不安に答えられるのか」と主張。採決でほかの議員が起立する中、座ったままだった。

 町議会の見解は当初の予定通り、新谷議長が口頭で時岡町長に伝えたが、全協では伝達方法についても一部の議員から不満の声が上がった。

 今川議員は「きちんと残る文書として渡すべきだ」。猿橋巧議員は「重大で大変なことを口頭で済ますのはおかしい」と批判した。結局は「法律上の事項ではない」として、新谷議長が全員協議会に諮ったメモを時岡町長の前で読み上げた。(大谷聡、小池寛木、山田理恵、堀川敬部)

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