再稼働容認を11対1の賛成多数で決めたおおい町議会=おおい町役場で
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おおい町議会は十四日の全員協議会で、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を賛成多数で容認したが、四月の議会報告会や住民説明会で再稼働に反対、ないしは慎重な意見が相次いだことを考えると、議会が住民の声をどこまでくみ取ったのか、疑問が残る結果となった。
四月十九、二十日の議会報告会や二十六日の住民説明会など公開の場では、町民から国の定めた安全対策の不備や、関西圏の理解が得られていないことを指摘し、現状での再稼働に批判的な声が目立った。
住民説明会後、議会は小川宗一副議長を座長に各委員長らでつくる専門の作業部会を設置。十回近くにわたって国の説明や住民の意見を検証する作業に追われ、全員協議会も複数回開いた。
議会の最終判断が注目されたこの日の全員協議会では「住民の意見では、経済や雇用の問題もあり、再稼働に前向きな声が多かった」などと、各議員が住民から聞き取ったという個人的な意見を披歴する姿が目立った。公的な場である住民説明会での町民の意見をどのようにとらえるかは各議員に任されたため、結果として再稼働に対する反対、慎重意見を議会として、どう判断したのかがあいまいになった。
住民説明会で手を挙げ、再稼働に慎重になるよう意見を述べた同町長井の徳庄博美さん(60)は「ドーンとひっくり返された気持ち。住民説明会とは、いったい何だったんだろう」と落胆の表情を浮かべた。
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