今春卒業した大学生の就職率は93.6%で、過去最低だった前年を2.6ポイント上回った。文部科学省と厚生労働省が15日発表した。改善は4年ぶり。改善幅は統計を取り始めた1997年以降で最大となった。
文科省は、東日本大震災後の厳しい雇用情勢の中で、大企業に就職希望が偏りがちだった学生が中小企業にも目を向け、ミスマッチの解消が進んだのが要因と見る。一方、「底を打ったかどうかは、少なくとも来年の状況を見守る必要がある」としている。
国公私立の62大学4770人を抽出し、就職希望者のうち4月1日時点で就職できた人の割合を調べた。就職希望率は68.9%(前年同期比2.4ポイント増)。推計される卒業者総数に当てはめると、約38万700人が就職を希望し、うち約35万6100人が就職したことになる。