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藤島 実
第9回 チャンスをつかめ
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 広島から阪神にFA移籍した金本は移籍して1年目で優勝にめぐり合うことができた。本人の格段の努力といくつかの偶然が生み出した成果である。星野監督は金本選手に「迷ったら変化を選べ」と言って口説いたそうだ。変化からチャンスは生まれやすい。

 人生チャンスは何回か訪れる。努力しなくてもチャンスが訪れることがあれば、一生懸命努力してもなかなか成果に結びつかないこともある。ただ、過程によらず、訪れるチャンスをものにできるかどうかで結果は大きく異なる。東京大学大学院に、難関の入学試験を勝ち抜いて合格した学生たち、特に他大学からの学生たちは、変化を恐れず今まさにチャンスをつかもうとしている。自信をもって活かしてほしいものだ。

 野球選手が監督に恵まれるのと同様、よい仲間に恵まれると筋の良い研究に出会うチャンスがたかくなる。良い仲間とは、同僚であったり、先輩であったり、上司であったり、教官であったりするだろう。研究というのはアイディア勝負だが、雑談をしているうちにいいアイディアが生まれることもある。先日訪れたアメリカのとある大学の先生に、研究紹介をしていたところ、次の日になって「君と昨日話している間にすばらしいアイディアが思いついた」といわれた。聞いてみると、話したこととは直接関係のないアイディアではないか。それでも、こちらの右脳を刺激するような面白いアイディアなのだ。

 面白いと思う気持ちがアイディアを生み、アイディアが育てば仲間のアイディアに結びつく。そのようなサイクルをうまく活用し、「優勝」に結び付けたいものである。

金本選手の入団発表
http://www.hochi.co.jp/html/baseball/2002/
nov/1122kanemoto1.jpg より引用

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